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幼なじみとしたいコト
第3章 したいコト

「……」

「……」


沈黙が流れて春希の体が離れたと思ったら、そっと両手を握られた。


「あの……秋ちゃん。その……ええと……僕のこと……イヤになった?」

「……え?」

「いや……秋ちゃんがムリって言ったのに、激しくしちゃったから……」


ムリ……確かにそう言ったけど……。


「そのせいで……寝落ちするまで疲れさせちゃって……僕のこと、イヤになったかなって……」


シュンと肩を落としている春希に驚く。


えええ……そんな風に捉えちゃうの!?


「ちょっと待って。確かにムリって言ったけど、あれは……本気の無理! とはニュアンスが違うし、寝落ちしたのも、春希の体があったかくて眠くなっただけで……だから、春希のこと、イヤになってないよ」

「……ほ……本当に?」


ここまで弱々しい声を出す春希を見るのも初めてだ。


「うん、本当に。本気でイヤなら春希を蹴り飛ばしてでもイヤって言うもん。私がそういう性格だって、春希が一番わかってるでしょ!」

「……うん」

「それに……好きって言われて、正直……嬉しいよ?」

「え……」

「ちっさい頃からずっとそばにいて、春希のこと幼なじみとしても人としても好きだし、春希も私に対してそういう感じかと思ってたから驚いたけど……」

「僕は……5歳くらいから秋ちゃんのこと女の子として好き」

「え、そんなに前から!?」

「うん。ずっと秋ちゃんだけ好き。自分でも不思議なくらい他の人に興味持てないし……秋ちゃんが責任取って?」

「責任って……」

「僕の彼女になってほしい。で……将来は奥さんになって下さい!」


私の両手を握る春希の手に力が込められる。
よく見ると、わずかに震えていた。


本気なんだ……。
そんなに私のこと……。


「……春希……」


私で良ければ、そう言おうとしたとき、部屋のドアが勢いよく開いた。
ビクッと反応する春希と私。
ドアのほうへ振り返った春希の向こうに見えるのは、私たちの幼なじみの姿。

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