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幼なじみとしたいコト
第1章 幼なじみ
「映画ねぇ〜……」
「あれは? 秋ちゃんが好きなゾンビものの続編。まだ見てないって言ってたよね。確か、配信されてたと思うけど……」
「……」
タブレットをスクロールし始めた春希の後頭部をボーっと見つめながら、そういえば……と、数日前のことを思い出していた。
『秋良~~聞いてよっ!!』と怒りをあらわにした様子で友達が『彼氏の家でエッチなDVDを発見してケンカした!』 とグチってきたのだ。
今の時代、パソコンやスマホなど機器さえあればそういう大人の作品を手軽に見ることができる。
私だってスマホの広告を誤ってタップしてアダルトなサイトページへ飛んでしまったこともあるし、初めこそ驚いたものの、それからはたまに動画や漫画を見たりしている。
女の私でさえ興味があるのに、健全な男子高校生が興味ないわけがない。
ただし、DVDなど捨てる予定がないのであれば、絶対に彼女に見つからないように配慮するのが最低限のマナーではないか。
そして、今にも泣きそうな友達をなだめながら、ふと考えた。
春希は……どうなんだろう? と。
かわいい顔をしていても、春希だって男子高校生だ。
興味ある……よね? ひとりでしてる??
横向きに寝そべったまま、春希の後頭部から首、肩、背中へと視線を移動させていく。
なんか……体大きくなった?
いつもそばにいすぎて気づかなかったが、肩幅が広くなっている気がする。
もしかしたら背も伸びてるのかもしれない。
だけど、どこか男を感じさせない。
ああ……わかった。
たぶん、ご両親の優秀な遺伝子を受け継いだであろう整った顔立ちのおかげか、今はまだかっこいいよりもかわいさが勝っているからだ。