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幼なじみとしたいコト
第1章 幼なじみ
何度か女の子から告白されてたのも知ってるけど誰とも付き合おうとしなかったし、おそらく恋愛対象が同性ってわけでもなさそう。
まさか、ほぼ毎日のように私といっしょにいるから、そういう恋愛モードになれないのでは? と幼なじみとしては心配だったりする。
……なんて、余計なお世話だけど。
私だって浮いた話なんてないわけだし。
だから、これは完全なる「好奇心」からくるもので。
「ねぇ、春希」
「んー?」
「春希ってさ、AV見たりするの?」
私に背を向けてタブレットを触っていた春希の動きがピタリと止まり、まるで寝違えたかのように首をぎこちなく動かしながら振り返る。
「…………今、何て言った?」
「アダルトビデオ見るの? って言った」
「え……なに、いきなり……」
驚いた顔をしつつも意外と冷静な反応。
「え、気になったから」
「気になったって……」
「DVD派? スマホとか端末派?」
「いやいや……気になっても普通、聞く?」
「普通……は聞かないかもね。だけど、私は聞く! 誰にも言わないから教えて!!」
「えぇぇー……いや、僕は秋ちゃんが……何でそんなことが気になるのか、逆に気になるんだけど……」
私の押しの強め発言に困ったように目を伏せた春希の声は徐々に小さくなっていく。
よく見ると若干、頬も赤いような気がする。
こんな顔を見たのは初めてだ。
……なんだ、その顔は。
「えっと……友達の彼氏が部屋にDVDを隠し持ってたって話を思い出して」
「……」
「そういえば、春希の部屋でそういうの見かけたことないなって。持ってると春希ママや私に見つかる危険があるから、もしかしたらスマホで見る派なのかな? って気になって」
「……」
正直に話したのに、春希は頬を赤くしながら目を泳がせて黙ってしまった。
だけど、ここで『拒否』をしないということは、白状するのも時間の問題とみた。
私の心の中の悪魔がささやく。
"あとひと押しでイケるぞ!" と。