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副社長と出張旅行~好きな人にマーキングされた日~
第1章 出張旅行
副社長が微笑んだその時、目的地に着いた。

「さあ、行こう。」

副社長の手は、パッと離れ、右手が寂しくなる。

「はい。」


新幹線を降りて、駅を出たところで、取引先の方が迎えに来ていた。

「新田副社長、お久しぶりです。」

「これは宝田専務。」

握手を交わすとなると、結構仲が良い方なのかな。

「秘書の福住です。」

「どうも。」

手を差し出すと、形だけの握手をされた。

あれ?一瞬で終わり?

副社長とは、あんなに長い間、握手をしたのに。

まあ、秘書ってそんなものですよね。


「車を用意してあります。」

「有難うございます、専務。」

専務と副社長が後ろに乗ると、私の座る席はなかった。
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