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人工呼吸器管理妄想記(超短編)
第1章 本章
ここはベッドの上
点滴されている
もう少ししたら、点滴から薬が入って苦しくなる
力が入らなくなって、そのまま呼吸筋も動かせなくなって
本来なら、そのまま死ぬ
苦しい苦しいともがきたいのに、意思表示ができないまま、目さえ開けられないまま死ぬ
現実ならやだけどね
これは妄想だから
この小説の中では私は自由
私の好きなように世界を作るの
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
点滴から薬が入ってきた
ちょっと怖い
ドキドキもするけど
でも怖い
だんだん力が抜けてきた
指先に力が入らない
動かそうと思っても動かし方がわからない
体が動かない
口も動かない
声も出ない
自分の思っていることが言えない
もう、私はされるがまま
目が閉じる
呼吸が弱くなる
「苦しくなってきたね」
パートナーの声
そう。苦しいの。吸えないの。怖い。死んじゃう。助けて。
涙が頬を伝う
「そうだね。息できないもんね。死んじゃうね。でも大丈夫。今助けてあげるから。」
私は頭を反らすように支えられた
軽く開いた口を広げ、直径7mmほどの管が入ってくる
喉で直接感じる異物感
そんなに奥まで入れないで。すごい気持ち悪いの。吐いちゃう。苦しい。吸えない。管を抜いて息をさせて。お願い。
「ダメだよ。今大事なとこなんだから。これがないともう死んじゃうんだよ?」
そのまま奥に挿し進められ、気道まで管が入ってきた
もうダメかも。苦しいを通り過ぎて頭がぼーっとしてきた。もう何でもいいや。この世に未練なんてないし。
そう。この世に未練なんてない。
頑張っても頑張っても努力が報われないこの世界。
新型感染症、地球温暖化、戦争、経済格差など様々な問題を抱えるこの世界。
なにもいいことなんて起こらない。
あるのは絶望だけ。
なのにみんな、死んじゃだめ、命は尊い、とか言ってくる。
意味がわからない。
命ばっか見ないでよ。心も見てよ・・・。
こんな世界をどう生きろというの?
どうせ私が死んだって世の中には何の影響もない。
いつものように回り続けるんでしょ?
私に存在価値なんてないもんね。
そんなこと知ってる。
だからここに来たの。
死ぬ前に一つだけ、私のしたかったことを実現しに。
性欲の強い私がしたかったこと。
でも、もうダメかも。
点滴されている
もう少ししたら、点滴から薬が入って苦しくなる
力が入らなくなって、そのまま呼吸筋も動かせなくなって
本来なら、そのまま死ぬ
苦しい苦しいともがきたいのに、意思表示ができないまま、目さえ開けられないまま死ぬ
現実ならやだけどね
これは妄想だから
この小説の中では私は自由
私の好きなように世界を作るの
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点滴から薬が入ってきた
ちょっと怖い
ドキドキもするけど
でも怖い
だんだん力が抜けてきた
指先に力が入らない
動かそうと思っても動かし方がわからない
体が動かない
口も動かない
声も出ない
自分の思っていることが言えない
もう、私はされるがまま
目が閉じる
呼吸が弱くなる
「苦しくなってきたね」
パートナーの声
そう。苦しいの。吸えないの。怖い。死んじゃう。助けて。
涙が頬を伝う
「そうだね。息できないもんね。死んじゃうね。でも大丈夫。今助けてあげるから。」
私は頭を反らすように支えられた
軽く開いた口を広げ、直径7mmほどの管が入ってくる
喉で直接感じる異物感
そんなに奥まで入れないで。すごい気持ち悪いの。吐いちゃう。苦しい。吸えない。管を抜いて息をさせて。お願い。
「ダメだよ。今大事なとこなんだから。これがないともう死んじゃうんだよ?」
そのまま奥に挿し進められ、気道まで管が入ってきた
もうダメかも。苦しいを通り過ぎて頭がぼーっとしてきた。もう何でもいいや。この世に未練なんてないし。
そう。この世に未練なんてない。
頑張っても頑張っても努力が報われないこの世界。
新型感染症、地球温暖化、戦争、経済格差など様々な問題を抱えるこの世界。
なにもいいことなんて起こらない。
あるのは絶望だけ。
なのにみんな、死んじゃだめ、命は尊い、とか言ってくる。
意味がわからない。
命ばっか見ないでよ。心も見てよ・・・。
こんな世界をどう生きろというの?
どうせ私が死んだって世の中には何の影響もない。
いつものように回り続けるんでしょ?
私に存在価値なんてないもんね。
そんなこと知ってる。
だからここに来たの。
死ぬ前に一つだけ、私のしたかったことを実現しに。
性欲の強い私がしたかったこと。
でも、もうダメかも。