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妹をこんなにしたのは僕のせい?
第2章 混乱
「ねぇ私なんでこんなに男好きなんだろ?母さんに似たのかな」

三十男の一件から時は経ち。
無事高校を卒業して大学にも受かったしおりはなぜだかアソコの毛をつるんつるんに剃りあげてしまっていた。
新しくできた男がこんなのが好みなのかと思ったけど、そうではないらしい。
言わばパンツの中に秘めておきたいものがあるのだという。

そうして先週十九歳になっていた。
お尻の辺りの細かな陰毛が上手く剃れないからと兄に陰毛の処理をさせる妹だった。

「母さんは男好きというか、セックス好きなんだろ」

「同じじゃないの?」

「どうかな?ちょっと違う気がする」

あの三十男の一件からしおりはあまり男の話をしなくなった。
それでも飲み会みたいなのに頻繁に出かけているようなので、きっとそれはそれなりなのだろう。

「俺さ。もうじき家出ようと思うんだ」

「知ってる」

先にしおりに言えなかった事に胸が詰まるような心苦しさを覚えた。それでも「ついて行く」と言われたら、僕は断れなかっただろう。

「つるんつるん・・・お◯こ丸出し・・・」

歌うような妙な節をつけて、しおりは剃り上がった陰部をぱかぱか開いてみせた。
見慣れた妹の体がどことはなく大人の女にみえるのは逆光に浮かび上がった下腹の陰影のせいだろう。
こうして見ると、女の裸体に陰毛の陰りは重要なアクセントを持つものかも知れない。

それから僕はわりと実家の近くで単身者用のマンションを借りた。「実家」というのはいい響きだ。
築年数は少し経つものの部屋の一部とキッチンの上を利用したロフトがついていた。
六畳の間に学習机と二段ベッドを置いて妹と共用していた僕にはワンルームでも広過ぎた。
いよいよ荷物を出すという時にも、しおりは機嫌よくそれを手伝っていて僕はいろんな物をそこで譲り渡した。
「あぁこれ、懐かしい!」などと押し入れの奥底まで引っ張り出してはしゃいでいた妹だったが急に手を止めると幼女のようにひんひんと泣き出した。
おそらく、親の前でも僕の前でも平然とオナラもオナニーもするんだろうけど、プライベート空間が独占できる事をただ喜んでいるように見えた僕は急な展開に面食らう。
そうして髪を撫でながら、ただそれに唇を当てるしかなかったのだった。
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