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木の実を集めて君にあげる
第2章 僕の暗黒時代
高校に上がった。

附属の女子校と交流があったり、
電車の中でアプローチされたりすることが多くなったけど、
正直、ピンとこないし、
付き合いたいとも思えなかった。


幼稚園のPTAで繋がっている母さんからの情報によると、
瑞樹ちゃんはとても成績が良くて、
東大を受けるらしかった。

それなら、僕も…と密かに燃えていた。


外部の模試で、2回、瑞樹ちゃんを見かけたことがあった。

帰りにお茶でも誘いたかったけど、
車の迎えが来ていた。

母さんの話だと、
咳喘息を心配して、
逗子に引っ越しして通学が遠くなったことと、
電車で痴漢に遭ったのを心配して、
中高の通学は車だってことも聞いていた。



瑞樹ちゃんに痴漢だと?

と考えるだけで、
ギリギリと胃が痛くなるほど心配で、
そのくせ、瑞樹ちゃんの柔らかい胸とかお尻に触ることを妄想して、
股間を膨らませては、自分でシコシコやって、
更に自己嫌悪を覚えたりした。


車がないと移動出来ないなら、
免許、早く取らなきゃってことも感じた。



両親に、
「東大行きたいから、内部推薦断る」と言うと、
「良いんじゃないか?」とあっさり許してくれた。


高橋も医者にならなくちゃいけないけど、
内部推薦で医学部は無理らしかったから、
上の医学部も含めていくつか受験すると言っていた。


2人とも、親の仕事を継ぐという同じ境遇があったから、
文系と理系ではあったけど、
良く一緒に勉強して過ごしていた。


明るくて饒舌な高橋は、
女子にも凄くモテていて、
でも思ったより長続きしない恋愛をしてるみたいだった。


「お前、セックスしないと発散出来ないじゃん」と言われて、
「いや、自分でやってるから」と答えては笑われていた。


「まだ、自分でやってる分にはマシか。
相変わらずあの切り抜き見てやってるのか?」と言われて、
「はい。
これ!
瑞樹ちゃんに似てるコだから」とDVDを待たされたりした。


そんなのを観ながらするのは…
と思いながらも、
ついつい僕は、瑞樹ちゃんを何度も妄想の中で犯しては、
後から死ぬ程、落ち込んだりもした。


でも、頭と心と下半身は、
ちっとも僕の言うことを聞かなくて、
覚えたての猿みたいに、
夜中や朝、
何度も何度も妄想しながら自分で自分を慰めたりしてた。
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