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木の実を集めて君にあげる
第2章 僕の暗黒時代
中学の修学旅行の夜、
誰かがエロ本を持ってきてたりして、
すごく盛り上がった。


「俺、もう経験済みだよ?」と言う猛者もいて、
男子校特有の、
おバカでギラギラした話になっていった。


「悠介も、もうヤッてるんじゃないの?
デカいもんな?」と、
誰かに股間を握られる。


「瑞樹ちゃんとはどうなんだよ?
付き合ってないの?」と、
高橋が余計なことを言う。


「え?
何?彼女?」と盛り上がるけど、
なんか、そこで瑞樹ちゃんのことを言われるのも嫌で、
僕はムッとした顔をしてしまう。


「俺らの幼稚園の女子校のコで、
小さいけど凄く可愛かったんだよな?
お前、写真、持ってないの?」としつこく高橋が言うので、

「持ってないし、
付き合ってもないよ」とぶっきらぼうに言った。


「よーし。
もう一回、風呂に行って、
誰が一番飛ばせるか競争しようぜ?」と誰かが言って、
ドタバタとみんなが立ち上がるけど、
僕はとてもそんな気になれなかったから、
部屋に残った。

気にしてくれたのか、
高橋も残ると言って、
みんなは「ノリが悪いな」と言って出て行ってしまった。


「ごめん。
てっきり付き合ってると思ってさ」と高橋が言うから、
「別に良いよ」と笑った。


「おっ?
この女の子、瑞樹ちゃんに似てない?」と、
パラパラとめくったエロ本の1ページを指差す。

確かに少し似ていて、
ドキっとする。


「悠介も、オナニーするだろう?
これ、持って行きなよ。
俺はこっちのコがタイプだな」と言って、
わざわざカバンからペンケースを出して、
丁寧にカッターで切り取った。


修学旅行でも、ペンケースや参考書を持ってきてるのが、
おちゃらけて見えるけど真面目な高橋の本質だと思った。


「ムキになって、ごめん。
なんか、瑞樹ちゃんが冒涜されてる気がしてさ」

「いやいや、それ見てシコるなら、
冒涜してるでしょ?
でも、ホント、お前、変わらないよな。
幼稚園からずっと、
瑞樹ちゃん一筋だもんな」と笑われた。


コツンと胸を軽く叩かれて2人で笑うと、
いそいそと参考書にグラビアの切り抜きを挟んで、
2人でニヤリと笑った。

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