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木の実を集めて君にあげる
第5章 ドライバー爆誕
「安西くんが瑞樹さんのこと、マンションまで送ったことあったでしょ?
あの夜だよ。
たまたまなのか、瑞樹さんがオトコと会うって亮平さんに言ってたからなのか、
亮平さんがマンションまで来てたらしくてね。
多分、送ってきた安西くんのこと、見たんじゃないかな?
それで、亮平さん、ヤキモチ焼いてね。
そりゃあ、激しく瑞樹さんとヤッてたよ。
私が帰宅したのも気がつかないくらい、朝までね。
翌朝、ちゃんと避妊もしてなかったって聞いて、
私、2人を怒って、
結局、3人で産婦人科に行ったのよ」


「えっ?」


「だって、妊娠してたら大変じゃない?
ゴムだって渡してたのにさ。
そしたらね、亮平さん、
妊娠してたら、瑞樹さんと結婚したいって言うのよ。
そんなの、ダメに決まってるじゃない?
ご両親が賛成する訳ないでしょって、
説教したのよ。
こんな小娘に説教されるオジサンなんてね?
それで、ピル、処方して貰って…」


「ピル…」


ダメだ。
頭がおかしくなる。
上手く整理出来ない。


「でも、実家に戻されて良かったのよ」


「えっ?」


「亮平さんのお子さん、
小さいのに可哀想に亡くなったでしょ?
瑞樹さんのことだから、
だったら、自分が亮平さんの子供、産みたいって言いそうだもの。
そんなことしたら、大変。
家も勘当されて、
大学も退学して、
瑞樹さんの一生が台無しになっちゃうもん。
亮平さん、確か、36とかだよ?
瑞樹さん、まだ若いのに、
子育てで擦り減っていって、
挙句に旦那さんの親の介護して、
そのうち、旦那さんのことも介護することになるよ?
しかも、勘当されてたら、
自分のママとかにも助けて貰えないんだよ?」


もうダメだ。
頭がパンクする。


車から降りる時に、
「安西悠介、しっかりしなよ?
私はね、瑞樹さん、安西くんと付き合った方が、
よっぽど安心だよ?
このままだと、瑞樹さん、
心が壊れちゃいそうで心配だもん。
あんた、頑張りなさいよね?」と、
紘子ちゃんは笑った。



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