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木の実を集めて君にあげる
第5章 ドライバー爆誕
「ドライブでも行く?
気晴らしになるかも。
行きたいトコ、ある?」と訊くと、

「亮平さんのトコに行きたい。
亮平さんに会いたい」と言って泣きじゃくる。


「んー。
困ったな。
それは無理だよ?」と、
僕はゆっくりした口調で静かに言った。


瑞樹ちゃんは僕の顔を見上げる。


僕は丁寧に、
別に瑞樹ちゃんのお母様に気を遣ってる訳じゃなくて、
恋仇のトコに好きな女の子を送り届けるほど、
自分はお人好しじゃないって、説明した。


ちゃんと口で説明しないと判って貰えないし、
行動しないと大切なモノを手にすることは出来ないってことも嫌と言うほど判ったから、
僕は更に言った。

自分は瑞樹ちゃんが好きで、
例え瑞樹ちゃんが他のオトコのこと、好きでも構わないし、
瑞樹ちゃんが僕のこと、好きじゃなくても、
嫌われてなければそれで良いってことを一気に伝えた。


そしたら、瑞樹ちゃんは、
「嫌いじゃない」って言ってくれた。


少しだけホッとしたけど、
そう言ってくれてるのは瑞樹ちゃんの優しさかもしれないと思って、
別に無理しなくて良いなんてことも言った。


多分、それ、
幼馴染だからとか、
友達としてってことだと思ったし、
いつか、好きになって貰えたら嬉しいけどって思ってるってことも言えた。


「でも、目の前で瑞樹ちゃん、
拐われるとかは見たくないし、
悲しませて泣かせるようなら、
僕の方を見てって思うけどね」と言って、
そっと髪を撫でてみる。


「安西くん、優しいのね?」って言われて、
正直な気持ちも言おうと思って、

「下心もあるけどね?」と言うと、
瑞樹ちゃんは身体をビクッと固くした。


うわ。
怖がらせちゃったかなと思って焦る。


「ごめん。
下心っていうか、
瑞樹ちゃんと居たら、
勿論、キスしたりとか、色々したくなるよ?
でも、嫌われたくないからね?」と、
ちょっと明るく笑ってみたけど、
ちょっと顔、ぎこちなかったかもしれなかった。
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