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木の実を集めて君にあげる
第6章 ラブホ突撃顛末記
「安西くん、やめて…」
という瑞樹ちゃんの声で、
ハッとした僕は、
瑞樹ちゃんの胸を貪る子供みたいな格好をしていて、
勿論、チノパンを履いたままだった。

中で暴発してたけど、
一瞬のうちに現実に引き戻された。



瑞樹ちゃんはゆっくり起き上がって、
バスローブの前を掻き合わせるようにしてバスルームの方に行ってしまった。


僕はさっきまで現実だと思っていたことを、
心の中で反芻して、
それが単なる妄想だったことに気づいた。


ん?
どこまでヤッた?

キスはした。
バスローブの腰の紐、外れてたから、
脱がせようとして、
おっぱいにもキスしたり、色々してた。

流石に、手首縛ったりはしてないし、
チノパンもパンツも脱いでないから、
無理矢理、挿入もしてないよな。


凄くリアルな妄想してた。
なんかもう、
瑞樹ちゃんのこと、犯してたのと一緒だよ。


そう思うと、
なんて酷いことしたんだという気持ちになるのと同時に、
宇田川亮平に盗られるくらいなら、
無理矢理でも瑞樹ちゃんのことを自分のモノにしたいという、
とても自己中で強引な自分も居るような気がした。



服を着た瑞樹ちゃんは部屋に戻ってくると、
優しい口調で、
「安西くん、ごめんなさい」と言った。


自分は宇田川亮平のことしか考えられない。
亡くなった子供の代わりに、
自分が子供を産みたいくらいだってこと。

それと、僕のことは、
友達として好きだけどってこと。


淡々とそう説明して、
友達としてなんて嫌でしょう?
だからもう会えないと言おうとしていた。


僕は、瑞樹ちゃんと会えなくなるようなことをした自分を呪った。
そして、嫌がることはしない。
瑞樹ちゃんが誰のことを好きでも構わないけど、
一緒に居たいと言って、
今日の自分は、どうかしてたと言うことを説明して、
心から悔やんで謝った。





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