この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater1.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
木の実を集めて君にあげる
第7章 妊娠したけどあいつは居ない
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
エンジンを切った。
いつもなら車を降りて、助手席を開けてあげる為に車を降りるのに、
僕がそのままハンドルに手を掛けているので、
瑞樹ちゃんは小首を傾げながら僕を観た。
「あいつに会ったんだね?」と言いながら、
そっと瑞樹ちゃんの右手に光る華奢な指輪を撫でてから、
そっと手を握った。
瑞樹ちゃんは小さく息を呑むと、
そっと頷いた。
「セックスもした?」とストレートに訊くと、
戸惑った顔をするので、
更に、
「ちゃんとゴム、使った?」と訊いた。
瑞樹ちゃんは黙り込んでしまう。
「妊娠してたらどうするの?」と静かな声で言う。
言った瞬間に、
胸が痛くなって、
手も脚も震えそうになるのを、
歯を食いしばって堪える。
瑞樹ちゃんは小さい声で、
でもきっぱりと、
「授かってたら産みます」と言った。
産みたい、
じゃなくて、
産みますと意思表示した。
僕はただ、
それを受け入れるしかない。
「判った。
おやすみ」と言って、
握っていた手を離すと、
車から降りていつものように助手席のドアを開けてあげた。
後部座席から重たい瑞樹ちゃんの鞄を取って一緒にドアまで送る。
瑞樹ちゃんのお母様に夕食を勧められたけど、
「ちょっと試験勉強があるので」と言って断って、
殊更、明るい声で、
「瑞樹ちゃん、また、明日ね?」と言って笑顔を見せてみた。
上手く笑えてたかも判らなかったけど、
そのまま、どうやって運転したかも覚えてないけど、
気付いたら自分の部屋のベッドに横になっていた。
あいつと瑞樹ちゃんが裸で絡み合ってる夢を見て、
目が覚めて、
歯を食いしばって泣いた。
そして、さっき、瑞樹ちゃんの話を聞いた時、
そのまま、瑞樹ちゃんをホテルに連れて行って、
あいつと同じように、ゴムをしないでセックスすれば良かったのかと思った。
それなら、瑞樹ちゃんが妊娠してても、
自分の子供だって言える。
でも…。
そんなことをしたら、
瑞樹ちゃんを傷付けて、
嫌われるだけだ。
それに、ゴム無しでセックスしたからといって、
妊娠するとは限らない。
自分に都合の良いように考えようとしては、
また、うつらうつらして、
嫌な夢を見た。
いつもなら車を降りて、助手席を開けてあげる為に車を降りるのに、
僕がそのままハンドルに手を掛けているので、
瑞樹ちゃんは小首を傾げながら僕を観た。
「あいつに会ったんだね?」と言いながら、
そっと瑞樹ちゃんの右手に光る華奢な指輪を撫でてから、
そっと手を握った。
瑞樹ちゃんは小さく息を呑むと、
そっと頷いた。
「セックスもした?」とストレートに訊くと、
戸惑った顔をするので、
更に、
「ちゃんとゴム、使った?」と訊いた。
瑞樹ちゃんは黙り込んでしまう。
「妊娠してたらどうするの?」と静かな声で言う。
言った瞬間に、
胸が痛くなって、
手も脚も震えそうになるのを、
歯を食いしばって堪える。
瑞樹ちゃんは小さい声で、
でもきっぱりと、
「授かってたら産みます」と言った。
産みたい、
じゃなくて、
産みますと意思表示した。
僕はただ、
それを受け入れるしかない。
「判った。
おやすみ」と言って、
握っていた手を離すと、
車から降りていつものように助手席のドアを開けてあげた。
後部座席から重たい瑞樹ちゃんの鞄を取って一緒にドアまで送る。
瑞樹ちゃんのお母様に夕食を勧められたけど、
「ちょっと試験勉強があるので」と言って断って、
殊更、明るい声で、
「瑞樹ちゃん、また、明日ね?」と言って笑顔を見せてみた。
上手く笑えてたかも判らなかったけど、
そのまま、どうやって運転したかも覚えてないけど、
気付いたら自分の部屋のベッドに横になっていた。
あいつと瑞樹ちゃんが裸で絡み合ってる夢を見て、
目が覚めて、
歯を食いしばって泣いた。
そして、さっき、瑞樹ちゃんの話を聞いた時、
そのまま、瑞樹ちゃんをホテルに連れて行って、
あいつと同じように、ゴムをしないでセックスすれば良かったのかと思った。
それなら、瑞樹ちゃんが妊娠してても、
自分の子供だって言える。
でも…。
そんなことをしたら、
瑞樹ちゃんを傷付けて、
嫌われるだけだ。
それに、ゴム無しでセックスしたからといって、
妊娠するとは限らない。
自分に都合の良いように考えようとしては、
また、うつらうつらして、
嫌な夢を見た。
![](/image/skin/separater1.gif)
![](/image/skin/separater1.gif)