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木の実を集めて君にあげる
第7章 妊娠したけどあいつは居ない
持ってきた望遠鏡で流星群でも観ようかと言って、
別荘地から少し離れた処までドライブした。

夏とは言っても、軽井沢の夜は少し肌寒い。


折り畳みのテーブルや椅子を出して、
瑞樹ちゃんには膝掛けのブランケットを念の為に渡す。

蚊取り線香を焚いて、
望遠鏡を設置してから、
お湯を沸かしてコーヒーを淹れる。


「肉眼でも、流れ星、
たくさん観えるのね?」と、
あどけない顔で空を見上げる瑞樹ちゃんの横顔を僕は見ていた。


コーヒーのマグカップを手にした瑞樹ちゃんの様子がおかしいのに気付いた。

「うっ…」と小さい声を上げて、
口元を押さえてる。

そして、そのまま、コーヒーを地面に流してしまっていた。




えっ?
それって?
まさか?
やっぱり?


僕は混乱して動揺しながら、
「ちょっと寒くなってきたね?
そろそろ帰ろうか?
遅いとおばさんも心配するでしょ?」と言いながら、
望遠鏡を片付け始めた。


蚊取り線香に水を掛けて、
「瑞樹ちゃん、車に乗ってて?
蚊取り線香、消しちゃったから、
蚊に刺されるといけないし」と言って、
テーブルや椅子も畳んだりしてたら、
少し落ち着いてきた。





その翌日、
教科書とか、家に置いて来ちゃったから、
家に帰りたいと、瑞樹ちゃんが言い出した。


だったら、僕、送りますと援護射撃をしてみた。
夏期講習の後半戦、始まるしと言うと、
瑞樹ちゃんのお母様は渋々、了承してくれた。

お父様が合流するのはこの後で、
そこでのパーティーもあるのに…と、
かなりガッカリしているみたいだったけど、
タロウだけ連れて、
車で瑞樹ちゃんを家まで送り届けた。
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