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木の実を集めて君にあげる
第7章 妊娠したけどあいつは居ない
翌日になっても、宇田川亮平からの連絡はなかった。

留守で瑞樹ちゃんの家の冷蔵庫は空っぽだったので、
外で軽く朝食を取りがてら、
ドラッグストアで試薬を買って瑞樹ちゃんの家に帰った。


震える瑞樹ちゃんの手を握り締めて、
「確認してみよう?
外で待ってるから」と言って、
頭をポンポンして笑ってみた。


結果は、線2本。
陽性だった。


僕はなるべく静かな声で、
「どうするの?
本当に産むの?」と訊いてみた。


瑞樹ちゃんははっきりした声で、
僕の目を真っ直ぐ見ながら、
「勿論、産みます」と言った。


僕の目から、
勝手に涙がポロポロと溢れてしまっていた。


僕は瑞樹ちゃんを抱き締めて、
「じゃあ、あのオジサンに会いに行こう」と言った。


「自宅、判るよね?」と言うと、
瑞樹ちゃんは頷いていた。


「その後、一緒に病院かな?
予定日確認したり、
すること、あるでしょう?」と言いながら、
なんか、落ち着いてきた。



この時はまだ、
宇田川亮平がどんな状況かは知らなかったけど、
きっぱりと「子供を産みます」と言う瑞樹ちゃんのことを、
子供ごと抱き締めて護りたいと、心の底から思えた。


僕に出来ることなんて、
多分もう、そんなにないだろう。

今日、瑞樹ちゃんを宇田川亮平に渡したら、
それで僕はお払い箱になる。

そう覚悟もしていた。


それでも僕は、
瑞樹ちゃんのことが大好きで、
瑞樹ちゃんのことしか考えられない。


そう思いながら、
車のナビに、
瑞樹ちゃんから言われた住所を打ち込んだ。

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