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木の実を集めて君にあげる
第7章 妊娠したけどあいつは居ない
病院に戻ると、瑞樹ちゃんは携帯を握り締めたまま眠っていた。

そっとサイドテーブルに、
一輪だけ買ったクォーター咲きの淡いピンクの薔薇を置いていると、
瑞樹ちゃんが目を開けた。

あいつからの連絡はまだ、ないみたいだった。


看護師さんに訊いたら、
ほとんど何も食べれなかったと言われたから、
身体を起こすのを手伝って、
テーブルを設置して、
買ってきたモノを並べた。

香りが強くないパテや温野菜のサラダ。
カットフルーツ。

瑞樹ちゃんは済まなそうな顔をして、
なんとか食べようとするけど、
本当に飲み込むのも辛そうだったから、
プリンとゼリーを渡して、
それだけでも、ちょっとだけでも食べて貰って、
残りは僕が全部平らげた。


着替えはすぐには必要なさそうだったけど、
下着とかは使うのかなと思って、
ぶっきらぼうに、ここに入れておくねと言って棚に置いた。



LINEも既読にならないと言って泣いている瑞樹ちゃんを独りに出来なくて、
その日は隣にあったベッドで寝ることにした。


瑞樹ちゃんはあんまり寝れないみたいで、
僕は瑞樹ちゃんの手を握り締めたり、
時々髪を撫でたりしてあげてた。



翌日になっても、
宇田川亮平からは連絡もなかったし、
LINEも既読にならなかった。


昼前に江川さんという男性から瑞樹ちゃんに電話があった。

宇田川亮平との共通の知人らしいけど、
瑞樹ちゃんは泣いてしまって話も出来ない状態で、
僕が途中から電話を代わった。


自分が瑞樹ちゃんの幼馴染だってことを伝えて、
宇田川亮平と至急、連絡を取りたいと言った。


江川さんは、声を顰めて、
「瑞樹ちゃんには言えなかったんだけど、
亮平、具合が悪くて、
病院の外には出れないんだよ」と言った。


自分の携帯から電話をし直すと伝えて、
一度電話を切ってから掛け直して、
住所をショートメールで貰うと、
瑞樹ちゃんに「話を聞いてくる」と伝えた。


流石に江川さんにここに来てもらう訳にはいかないでしょうと言ったら、
なんとか納得してくれて、
近くだし、遅くならないからと言って出掛けた。
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