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木の実を集めて君にあげる
第8章 どうやったら護れる?
母さんは、子供を3人育ててきたから、
なんとなく仕草とか食べ物で判ると言って、
僕のことをちょっと厳しい顔で見ると、
瑞樹ちゃんのご両親には話をしたのかと、淡々と訊いてきた。


瑞樹ちゃんは、
「違うんです」と言い出しそうになってるのを止めて、

「まだ、瑞樹ちゃんのご両親には言ってない。
瑞樹ちゃんは産みたいって言ってるし、
僕もそうして欲しいから、
優生保護法で堕胎出来なくなる月齢まで、
出来たら内緒にしておいてから報告したい」と言った。


母さんは、あっさり、
判ったと言ってくれて、
協力してくれると言ってくれた。


「瑞樹ちゃんのお父様、
大きくて力が強そうだから、
殴られたら吹っ飛ばされるわね?」と笑う母さんを見て、
瑞樹ちゃんは一層泣いてしまう。


僕は瑞樹ちゃんの手をそっと握って、
「そんなこと、たいしたことないよ?」と笑った。


部屋に入ってからも、
僕を悪者にしてしまった。
おばさまを騙して心配させてしまってると言って、
泣いている瑞樹ちゃんに、
僕は少し悪戯っぽい顔をして言った。

「瑞樹ちゃんに恩を売って、
僕の元に、がんじがらめにしようとしているのかもよ」


髪を撫でながら、本音を滲ませて言った。
そういう狡い気持ちもあるけど、
瑞樹ちゃんを自分のモノにしたい。


そして、とにかく、
体調整えて欲しいし、
6ヶ月までは内緒に出来たらそうしよう。

その後、瑞樹ちゃんのご両親に報告して、
僕が殴られるくらいなら、
たいしたことないし、
万が一、瑞樹ちゃんが勘当されたら、
僕の家に同居してもらって、
母さんのサポート受けながら出産しようと笑った。


そして、心にも無いことだったけど、
瑞樹ちゃんを元気付けたくて、
「その頃に、亮平さん、
元気になってると良いね」と言った。


言いながら、自分の偽善者っぷりに、
吐き気がしそうになっていたけど、
瑞樹ちゃんは黙ってそっと頷いていた。

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