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木の実を集めて君にあげる
第8章 どうやったら護れる?
基本的に母さんの瑞樹ちゃんに対する態度は変わることはなくて、
これまで以上に大切にしてくれてる感じだった。

それを瑞樹ちゃんが、
申し訳ないというか、気を遣わせてしまっていると感じて、
負担に思ってないかは心配だったけど、
心強い味方が出来たと思っていた。


その後、瑞樹ちゃんの両親が軽井沢から戻ってきて、
うちに立ち寄ってくれてから、タロウも連れて逗子に戻ったけど、
その翌日からも、予備校とかに行く為にと瑞樹ちゃんを迎えに行ったり送って行ったりした。
予備校がない日は、一緒に勉強をする為に瑞樹ちゃんの家に行っていた。


大学が始まって、
同じようなペースで送り迎えをしていたけど、
瑞樹ちゃんの体調によっては、
僕の家で休んでいて貰う日もあった。

無理して大学まで行って、
医務室とかで休むこともあったけど、
それはそれで心配だった。

でも、瑞樹ちゃんが母さんに遠慮してるのも感じることがあって、
明らかに具合が悪いのに無理して大学に行こうとして、
心配過ぎる日もあったから、
紘子ちゃんに助けを求めることにしようかということになった。


久し振りに瑞樹ちゃんが紘子ちゃんと2人で住んでいたマンションに2人で行った。

紘子ちゃんは、すぐに瑞樹ちゃんの身体の異変に気づいたようだった。

声を顰めて、
瑞樹ちゃんに問いただしていたけど、
瑞樹ちゃんは泣いてしまって、話が上手く出来なかったから、
僕がゆっくり説明した。


妊娠してて、
産みたいって言ってる。
流産しそうになって、
身体を少しでも休めてあげたい。

瑞樹ちゃんのご両親にはまだ、話してない。
今、知られたら中絶するように言われるといけないから。

僕の母親にだけ、
知られてしまって、
僕が父親だって言ってて、
協力して貰ってる。


そう説明すると、
「亮平さんはどうしたの?
逃げたの?」と紘子さんが言って、
瑞樹ちゃんは説明しようとするけど、
やっぱり言葉が続かなかったから、
重篤な病気で入院していて、
会えないし、
まだ妊娠したことも伝えられてないと説明した。


それで、時々、本当に具合が悪い時だけ、
ここで休ませてあげて欲しいと頼んで、
取り敢えず僕はそのまま、大学に行った。

心置きなく休める場所があるのは、
とても安心出来た。
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