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木の実を集めて君にあげる
第8章 どうやったら護れる?
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誰かが僕に声を掛けるのに気付いて、我に返った。
「大丈夫ですか?
ご一緒に居た方ですよね?」
僕はフラフラと立ち上がると、
「瑞樹ちゃんは?」と階段を降りようとして、
またふらついてしまう。
手すりを持ちながらなんとか降りるけど、
脚がガクガクしてしまっている。
瑞樹ちゃんはストレッチャーに乗せられた処だった。
「あ、鞄の中の財布に、保険証入ってるはずです。
知人のお見舞いに来たんですけど、
容態が悪いと伝えたら動転してしまって駆け出して階段から落ちて…。
僕、追いつかなくて…」と言いながら、泣いてしまっている。
「あの!
妊娠してるんです。
5ヶ月です。
前も一度、流産しそうになったから…。
大丈夫ですか?」と言うと、
「頭を打っているようで、
意識がありませんので、
すぐにICUに連れて行きます。
ご家族の方ですか?」
と言いながら、僕が渡した保険証を見る。
「婚約者です」と言うと、
「緊急手術の可能性もあるので、
同意書もあるし。
患者さん、未成年ですよね?
ご両親とか、お身内の方、呼んでください」と言われてしまう。
判りましたと言うしかなかった。
「とにかく、瑞樹ちゃん、
助けてください。
それと、赤ちゃんも…。
お願いします」と頭を下げながら、
肉親でもなく、
結婚もしてないから、
何も出来ない無力さと、
瑞樹ちゃんを止められなかった不甲斐なさで、
泣くことしか出来なかった。
「あ、ここ、携帯禁止なので、
あちらの面会用スペースに行って電話してください」と言われて、
とぼとぼといつか江川さんと話をした部屋に入った。
「大丈夫ですか?
ご一緒に居た方ですよね?」
僕はフラフラと立ち上がると、
「瑞樹ちゃんは?」と階段を降りようとして、
またふらついてしまう。
手すりを持ちながらなんとか降りるけど、
脚がガクガクしてしまっている。
瑞樹ちゃんはストレッチャーに乗せられた処だった。
「あ、鞄の中の財布に、保険証入ってるはずです。
知人のお見舞いに来たんですけど、
容態が悪いと伝えたら動転してしまって駆け出して階段から落ちて…。
僕、追いつかなくて…」と言いながら、泣いてしまっている。
「あの!
妊娠してるんです。
5ヶ月です。
前も一度、流産しそうになったから…。
大丈夫ですか?」と言うと、
「頭を打っているようで、
意識がありませんので、
すぐにICUに連れて行きます。
ご家族の方ですか?」
と言いながら、僕が渡した保険証を見る。
「婚約者です」と言うと、
「緊急手術の可能性もあるので、
同意書もあるし。
患者さん、未成年ですよね?
ご両親とか、お身内の方、呼んでください」と言われてしまう。
判りましたと言うしかなかった。
「とにかく、瑞樹ちゃん、
助けてください。
それと、赤ちゃんも…。
お願いします」と頭を下げながら、
肉親でもなく、
結婚もしてないから、
何も出来ない無力さと、
瑞樹ちゃんを止められなかった不甲斐なさで、
泣くことしか出来なかった。
「あ、ここ、携帯禁止なので、
あちらの面会用スペースに行って電話してください」と言われて、
とぼとぼといつか江川さんと話をした部屋に入った。
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