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木の実を集めて君にあげる
第9章 夜明け
小刻みに震える瑞樹ちゃんの背中に手を回して、
すっぽりと優しく抱き締めると、
瑞樹ちゃんは僕の胸に顔を埋める。


「月(るな)ちゃんて?」と静かな声で訊いてみる。


「月(るな)ちゃん、私の赤ちゃんよね?
お腹に居た筈なの」

瑞樹ちゃんの涙が僕のTシャツを濡らしていく。


「でも…もう居ないの?
これ、生理痛よね?」と言うと、
身体の震えが更に大きくなるので、
僕はしっかりと瑞樹ちゃんを抱き締めてあげた。


「ずっと、夢の中に居たみたいな気がする。
大切なことも思い出せなくて…」と囁くように言うと、
「月(るな)ちゃんも、夢なの?」と僕の顔を見上げる。


瑞樹ちゃんの頬に僕の涙が落ちて、
瑞樹ちゃんの涙と溶け合うように瑞樹ちゃんの胸元へと落ちて行く。


「ううん。
月(るな)ちゃん、お腹に居たのよ?
流産しそうになった時、
安西くんが病院に連れて行ってくれたでしょう?
でも、どうして…?
亮平さんはどこに行っちゃったの?
どうして亮平さんが病院に連れて行ってくれなかったの?」


瑞樹ちゃんの瞳は、
僕じゃなくて、何処か遠くを見ているようだった。

最後は唇を震わせて話をしている。


あまりにも可哀想過ぎて、
僕は瑞樹ちゃんをもう一度抱き締めて、
言葉を止めてあげたくなった。
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