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木の実を集めて君にあげる
第9章 夜明け
僕もゆっくり、
この2ヶ月のことを思い浮かべながら話を続けた。


頭を強く打っていて、
それはそんなに問題ないはずなのに、
暫く意識が戻らなかったこと。

目が覚めても、
声も出せなかったこと。

そして、骨が折れてる訳でもないのに、
歩けなくなってたこと。

そう言いながら、
そっと瑞樹ちゃんの脚に触れてみた。

精神的な原因かもって言われたから、
退院後もリハビリ続けるようにって言われたことも伝えた。


毎日のようにリハビリを手伝ったり、
マッサージしたりして、
少しずつ筋肉もついてきている感じがしていた。



そしたら、急に瑞樹ちゃんは違う話をする。

「どうして、私、
安西くんと住んでるの?」


そっか。
それも覚えてないんだな。
っていうか、話してなかったか。


それで、
ずっと前に話した通り、
瑞樹ちゃんは赤ちゃんを産みたいけど、
宇田川亮平と連絡つかないままだった。

そんな中、今回の転落で、
赤ちゃんのことを瑞樹ちゃんのご両親に知られてしまったから、
自分が父親だって言ったことを伝えた。


僕が瑞樹ちゃんのお父様に謝っているのを、
ぼんやり覚えてると、
瑞樹ちゃんは言った。


それで、お父様が勘当だって言い出して、
お母様がそれじゃあ可哀想だって言ってくれて、
紘子ちゃんが出た後のこのマンションを、
バリアフリー工事して、
1人だと大変だから僕とルームシェアすることになったと言った。


だから、お母様は心配して、
今も毎日、電話してくれてるでしょ?と言うと、
瑞樹ちゃんは静かに頷いた。



それと、うちの家族は、
最初から察してしまった母さん以外は、
単に階段から落ちたってことしか知らないことも言っておいた。

瑞樹ちゃんのことだから、
次に会った時に泣きながら謝罪しそうだと思ったから。


瑞樹ちゃんは僕のことを気遣って、
ご両親から酷いことを言われたんじゃないかと心配して、
このままだと僕が悪者になっちゃうと、
両親に本当のことを言うと、
案の定、言い始めた。


僕はそんなことより、
とにかく少しでも身体を治して欲しいことと、
僕の父親達に子供のことを万が一知られるようなことがあったら、
絶対に父親は僕だってこと、
貫いて欲しいことを伝えた。


そうでなかったら、
瑞樹ちゃんと結婚出来なくなるよ。

そう言って笑った。
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