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木の実を集めて君にあげる
第10章 そして、結婚へ
「あら?
言ってなかったかしら?」と、
瑞樹ちゃんのお母様は涼しい顔で言った。


「脚もまだ、ちゃんと動かない瑞樹ちゃん、
独りで暮らせる訳、ないでしょう?
それなのに、貴方ったら、
『勘当だ』なんて言うんですもの。
心配で、悠介くんのお母様にも相談して、
一緒に住んで貰ってるのよ?」


「同棲ってことなのか?」


「やだわ?
プラトニックな関係って言ってたでしょ?
シェアってことよ?
紘子さんと同じじゃない?」と軽やかに笑う。


「うーん…」


「パパ?
言ったでしょう?
悠介さんは本当に私を大事にしてくれて、
本当に紳士的なのよ?」と瑞樹ちゃんが言うので、
僕は紅くなってしまった。


「こちらからお願いしたいな?
瑞樹を貰ってくれるかな?」と言われて、
僕は背筋を伸ばして、
「はい」と返事をした。


「でも卒業するまで、
子供は待って欲しいけどな」と言いながら、
優しい笑顔で瑞樹ちゃんの頭をポンポンするのを見て、
ようやく、親子の溝が埋まってきてると感じて、
泣きそうになった。


そしたら、瑞樹ちゃんのお母様が、
「嫌だわ、貴方ってば。
一緒に住んでいるのに、
何も出来ないなんて、
そんなの酷過ぎるわ?」と言って笑うので、
僕と瑞樹ちゃんは顔を合わせて、
同時に紅くなってしまった。


そして、僕の両親、
特に母さんには、
酷いことを言ってしまったから、
謝りたいと言われた。


でも、母さんはともかく、
オヤジや兄貴は、
流産したことも知らないし、
かえって瑞樹ちゃんが気を遣うだろうから、
何も言わないで欲しいと伝えた。


母さんにだけは、
前と同じように行き来して貰えたら、
それで嬉しいってことも言った。



そして、次の日曜日、成人式には、
良い機会だから、
両家で会いたいし、
食事でもして、
家族写真を撮ったりしたいなんてことを話した。


瑞樹ちゃんのお母様は、
「お着物に襟を縫い付けないとね?
私も着物、着ようかしら?
悠介くんのお母様に連絡してみるわね?」と笑った。


瑞樹ちゃんのお母様は、
宇田川亮平と瑞樹ちゃんのこと、
うっすら判っていたのかもしれないと思った。

だから、僕が瑞樹ちゃんと住んだりすることも、
こっそりお膳立てしてくれてたし、
お父様がカンカンに怒った後も、
母さんと連絡を取ってる感じもしていたから。

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