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僕と彼女の週末
第15章 19:00 ブレーキ
「あっ…と…そろそろもう一個飲んどこ」
千夏ちゃんは、バッグからまた別の薬を取り出した。

「2個も飲まないといけないの?食後のやつ?」

「んー?これはねぇー」
キッチンに行って薬を飲み込んでから、千夏ちゃんが言った。
「ピルじゃなくて、眠くなる薬」

「睡眠薬ってこと?」

「導入剤って言ってたかな」
言い残して歯磨きを始めた千夏ちゃん。
僕は後ろからついて回って、詳細を質問しまくる。

「なんで??眠れないの?」
昨日も寝てたよね?あぁ、でもあんまり覚えてない…

「それもいつも飲んでたの?」
全然気が付かなかった…

「僕、イビキとか歯ぎしりとかしてる?」
そんな癖はなかったと思ったけど…

「うーはいな」
口のはしに歯磨き粉の泡がついてる千夏ちゃんも堪らなくかわいい。

「うーは?うるさい?!ごめん、僕がマウスピースとかしたらいいのかな?またうるさかったら叩いていいからさ…」

そう言うと、ペチンとおでこを叩かれた。千夏ちゃんがうがいをしているのを、僕はじっと見つめて待つ。

「うるさい、今。黙ってて」

「はっ…」
黙って待つ。まるで犬みたいに言うことをきく。
千夏ちゃんが指さしたソファの方に行って、黙ったまま待った。
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