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僕と彼女の週末
第15章 19:00 ブレーキ
うっすらしていたお化粧も落として、いつもより少し幼く見える千夏ちゃんが僕の近くに戻ってきてくれた。もし尻尾が生えてたら、ブンブン振ってしまうのを止められなかっただろう。

「別に眠れない訳でも、うるさい訳でもない」

「じゃ、なんで?」

もったいぶるみたいに、ふぅぅっと息を吐くと天使の微笑みを僕に向けた。
「あのさ。もし、私が絶対に起きないってわかってても、変なことしないで朝までいられる?」

「え?!うん…いられるよ」

「絶対?」

僕の隣で眠ってる千夏ちゃんの姿を思い浮かべる。
「ぜっ……たい」

本当か?できるのか?そう自問してみる。
千夏ちゃんが嫌がるなら、きっとできるはずだ。
今日こそ、僕の忍耐力と千夏ちゃんへの愛を証明して見せよう。

「じゃあさ」

僕の顔を覗き込むようにしながら、質問を続けた。
「もし、絶対起きない私に、好きなことしていいよ?って言ったら、どんなことしちゃう?」

「えぇっ…すっ…どんなって……えっ…」
完全に動揺してしまった。

言ったらさせてもらえるのか、言ってもひかれないのか、僕はどんなことをしたいのか…一気に解放された僕の欲求が、頭の中で暴走しまくる。

(どんなことでもいいの?)
そんな質問をしたら、バカだと思われるだろうか。
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