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僕と彼女の週末
第14章 16:30 距離
胸の辺りがギュッとなった。
別に二度と会えないとかそんな訳じゃないのに、堪らない喪失感に襲われる。
寝てるのを起こしてまで来て欲しいなんて、そんなこと思って…な…
スマホの画面を見ると、ロックが解除されてしまった。あとの手順なんて数えるほどもない。
空を見上げて息を吐く。
勝手に動き出しそうな親指をなんとか制する。
千夏ちゃんが疲れてるなら、休ませてあげよう。
画面の上で宙に浮いていた親指が、目的地を変え、ロック画面に戻した。
僕はシュウマイを作って待ってればいい。
もし今日喜ぶ顔が見られなくても、また来週、また今度、またいつか、千夏ちゃんが食べたいときにできたてを食べてもらおう。
コンビニにも新しいアイスは無かったけど、前に食べて千夏ちゃんが気に入っていたのがあった。
溶けないように急いで家に向かう。
ブブッという短い震え。
スマホが着信を知らせた。
『1時間後目安で家出る』
業務連絡みたいなLINEだけど、ニヤけてくるのが抑えきれない。僕は勝手に想像して一喜一憂して、本当にバカだな。
エレベーターのボタンをつい連打してしまう。
僕は急がなきゃいけないんだ。
愛する千夏ちゃんのために。
約束の1時間から10分ちょっと過ぎた頃、「家出た」という三文字を受信した。
別に二度と会えないとかそんな訳じゃないのに、堪らない喪失感に襲われる。
寝てるのを起こしてまで来て欲しいなんて、そんなこと思って…な…
スマホの画面を見ると、ロックが解除されてしまった。あとの手順なんて数えるほどもない。
空を見上げて息を吐く。
勝手に動き出しそうな親指をなんとか制する。
千夏ちゃんが疲れてるなら、休ませてあげよう。
画面の上で宙に浮いていた親指が、目的地を変え、ロック画面に戻した。
僕はシュウマイを作って待ってればいい。
もし今日喜ぶ顔が見られなくても、また来週、また今度、またいつか、千夏ちゃんが食べたいときにできたてを食べてもらおう。
コンビニにも新しいアイスは無かったけど、前に食べて千夏ちゃんが気に入っていたのがあった。
溶けないように急いで家に向かう。
ブブッという短い震え。
スマホが着信を知らせた。
『1時間後目安で家出る』
業務連絡みたいなLINEだけど、ニヤけてくるのが抑えきれない。僕は勝手に想像して一喜一憂して、本当にバカだな。
エレベーターのボタンをつい連打してしまう。
僕は急がなきゃいけないんだ。
愛する千夏ちゃんのために。
約束の1時間から10分ちょっと過ぎた頃、「家出た」という三文字を受信した。