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おっかない未亡人
第25章 サチコ18才
「お疲れさまでした~。」

バイトが終わって時計を見ると11時だった

携帯を見てもシンちゃんから連絡はない
ん?
シンちゃんが携帯持ってるとは限らないのだ

落胆する

弟が運良くあたしの番号教えてくれたとしても
シンちゃんは公衆電話か家電からかけてくる可能性がある

シンちゃんの実家に行ってみる?
でもあたしが行っても誰もあたしを知らないのだ

チャリに跨がったときだった

~♪

知らない番号だったが咄嗟に出た

「もしもし、、。」

「、、、幸子ちゃん、、ですか、、?」

相手が恐る恐る話すのが手に取るように分かる

でも声がシンちゃんだった

「シンちゃん!今どこ!今すぐ会いたい!!」

「良かった。お互い戻ってたんだね。」

シンちゃんは冷静な声を出していた

「今、塾からかけてるんだ。あまり大きな声出せなくて。」

塾?
そっか。シンちゃん受験生なんだ

学年が違うことに大きな隔たりを感じる

でも、あたし諦めない

「今からそっち行ってもいい?あたし今バイト終わったところなの。」

「あ、、。今友達と居て、、。」

へ?
意外と今の世界エンジョイしてた?

「俺がそっち行くよ。塾の友達に冷やかされるの面倒だからさ。」

大変ね


やっと会えたシンちゃんは学ランを着てマフラーを巻いて
部活をやめたてなのか髪が短髪で立っていた

「カワイイー!」

あたしの第一声がそれだった

「恥っず。」

やっと会えたのにお互い見かけが違うからかぎこちない

二人で自転車を押しながら帰る
吐く息が白かった


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