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おっかない未亡人
第25章 サチコ18才
「で、旦那はどれ?」

待望の会社に潜り込む
まず夫を探すが居ない

確かこの部署のはずだが

松下は邪魔するなとか言いながらあたしの夫探しに興味津々だ

「俺が未来から来てたらまず株買うな。競馬もする。」

この人は昔から変わらないわ
妙に安心してきた


「もしかして、、慎吾の彼女の、、」

夫はすぐに気付いてくれた

コピー取りも事務作業もあたしは夫の気を引くためわざとできない振りをした
松下が隣で呆れ顔だ

「あからさますぎるだろ。」

優しい夫は嫌な顔せず丁寧に教えてくれてあたしはその度にキュンとする


帰り道あたしは彼を待ち伏せして一緒に街を歩く
水曜日は早く帰ることをあたしは知っていたから


「幸子ちゃんはうちの会社志望なの?俺に権限あったら通してあげられるんだけどなぁ。」

自力で通りますとも

並木道を歩いた
しがみつきたくなるのを堪える


その時目の前に男が立ちはだかる

ん?
一瞬わからなかったが

「幸子、やり直そう。」

ええっと、どちら様だ?

「俺が悪かった。だから電話に出てくれないんだろう。」


腕を捕まれて身動きが取れなくなる

「やめなさい。嫌がってるだろう。」

夫が元彼の腕を掴んでかばってくれる

「いてて、誰だよお前。」
 




「大丈夫?」

成り行きで夫とファミレスに来る
イチゴパフェが運ばれてきた

「若い子とこんなところに来るなんてな。」

「ごめんなさい、、あたし迷惑かけてますね。」

夫は難しい顔になる
あ、この表情は新聞読むときの顔だ
好きよ
今ここで服を脱いで肌を触れあわせて愛し合ってもいいくらいの気持ちになる

「慎吾とさ、どうやって知り合ったの?」

「へ?」

「いやなんか、ワケありかなって。二人とも10代のわりにテンション低めだなって思ってたからさ。」

「それは、今は言えません。だけど、いずれ分かるわ。」

「うーん、ますます幸子ちゃんが謎めいてきたな。」

夫が煙草を吸い始める
ああ素敵
絵になるわ

「もしかしてうちの会社来たのも俺に何か用事あったんじゃない?」

答えられない
会いたかったなんてそんなこと

「用事ありましたよ。だけど、言えない。」

今ここで歴史を変えるわけにはいかない

夫に会えて下半身を濡らしながらも
早く慎吾に会いたいと心から思うのであった



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