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おっかない未亡人
第25章 サチコ18才
「俺にできることあったら言ってよ。話を聞くことぐらいだけど。」

女泣かせだわ
この人の誰にでも優しいところはちっとも変わらないのね

「じゃあ、キスしてください。」

未来の夫がきょとんとこちらを見るが
残念ながら動揺はしていないようだ
あたしを子供と見なしているのね

余裕なのも今のうちだわ
あたしはあなたの感じるところも好きな体位も知ってるんだから

「慎吾が悲しむよ。」

「お兄さんは魅力的です。」



公衆電話から着信があって
余韻に浸りながらも足は慎吾の元へと向かう

すっかり夜になっていた


シンちゃんが駅で待っている

「遅かったね。」

「ごめん。京ちゃんに会ってた。」

「え、」

「ファミレスでパフェ食べただけよ。」

シンちゃんご機嫌ななめになるかな
 

「塾はいいの?」

「今日は自主休講。」

「不良ね。」

二人で駅のベンチに座る
列車が来てもあたしは乗らなかった
どうしてこの手を離せるだろう
人もまばらになってきた


「冷たいね、手。」

「暖めてシンちゃん。」

慎吾が繋いだ手をポケットに入れた

「臨時収入があったよ。模試で満点とってさ。」

「お、ゲームでも買ったら?」

「幸子ちゃんと一晩過ごそうと思ってさ。」

「今日?」

「うーん、楽しみは取っときたいけど。」

明日のことは分からない
いきなり時空を旅する可能性もある









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