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第5章 キツネに摘ままれる

ご飯をごちこうになって家まで送ってもらう

「ご馳走さまでした。ありがとうこざいました。」

バイクのエンジンはかけたままだ
このまま帰る流れなのだろう
幸子だけ降りる

「あの、､良かったら上がっていってください。」

「うーん、明日も仕事だしなぁ。」

「まだ一緒に居たいです。」

幸子は引かない

関本がエンジンを切った

嬉しい
まだ一緒に居られる




「こんなものしかなくて。」

お湯を沸かしてハーブティーを出した

「しみるね。」

うふふ

リビングに飾ってある夫の写真が微笑んでいた

あたし、、まだ男の人呼ぶの早いかな
駄目かな？


「娘さんは？」

話しかけられて我に返る

「今日は夜勤なんです。」

だから今日は二人っきりよ
という圧をかけてみる

「雨酷くなってきたな。」

家に居ても分かるくらいの雨音だった

「よかったら、、泊まっていってください。」

関本の腕に手を乗せる
返答はない

「それとも、、早いって思ってます？夫が亡くなって日が浅いのに、、。」

「気持ちは嬉しいけど、妻がいる。」

「存じてます。」

幸子はお風呂のスイッチをいれた

「主人の寝間着もあるんで、、。」

我ながら強引かとは思う
そして男を上げないという娘とのルールを破ってしまった

「娘が居ない日は一人で。一人で寝てると夜中急に目が覚めたりして。。お願い、、隣に居てください。」


突然乗せていた手を引っ張られてキスをされる

唇を合わせるだけの優しいキスだった

唇がそっと離れる

恥ずかしくて顔を見れない

恐る恐る彼を見ると
こちらを見ていた

「見ないで、、、」

恥ずかしい
下を向いていると
～お風呂が沸けました～　
の音楽が流れる

「、、、ベッド、、行きたい、、こっちです。」　　

寝室に誘導した