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おっかない未亡人
第11章 娘の不倫相手に物申すキャンペーン
「三原さん◯◯工業さんからお電話です。」

先日取材した町工場の営業さんからだった
職人さんってぶっきらぼうなイメージだったが
意外と話しやすいなって印象だった

一通りこの間はありがとうございましたとか
業務上の会話をして、雑談をして
今後ともどうぞよろしくお願します
まではいつも通りだったが

なんだか相手の歯切れが悪い
何か粗相でもしたかな

関本がこちらを見た
私が歯切れが悪くなったのが分かったのだろう

しかし予想を反して相手は思いもよらぬことを口にする

「あのぉ、、もし良かったらなんですが、、今度食事でも、、どうかなって、、。」


思いもよらない
相手の顔すらあまり思い出せないでいたし
特に仕事の話を聞いただけで
プライベートな話が盛りあがった記憶もない

20代の頃は取材で行って後日誘われることも無くはなかったが

え、まだあたしってアリなの?

嬉しさよりも驚きが勝っていた


関本がますます怪訝な顔になる

何か返事をしなければ
この場を乗りきらねば

「あ、あの、、今週の土曜日でしたら、、ええ、はい。はい。それでは。」

すんなりデートの約束をしてしまった



電話を切ると松下が話し掛けてくる

「やらかしたか。」

「まあね。」

ある意味やらかしたのかもしれない
良く覚えていない相手とプライベートで食事をするのだ






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