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おっかない未亡人
第14章 つかの間の甘い
程なくして関本は本社に戻って行った

課長の席はしばらく空いたままだった
てっきり松下が返り咲くと思っていたが


「みんな聞いて~。」

業務中に紀子の甲高い声が響く

「紹介するわ、今度新しく課長に就任した塩見亮介くん。よろしくね。」


開いた口が塞がらない

「おい、あれ、、、。」

隣で松下も驚いていた

「三原さん、、、。」

亡くなった夫に瓜二つなのだ


「有名企業からヘッドハンティングしたのよぉ。期待の有望株。ヨッシーいじめないでよ。」

紀子が話し掛けてくる

「ノリさん、、。」

「やっぱり気付いたか。似てるよね。」

塩見が課長の席について荷物を整理している


「ちなみに独身ですか。」

松下が聞く

「娘さんの話は聞いたけど奥さんの話はまだ聞いてないわねぇ。」

「コイツが惚れたら面倒くさいんでね。確認しとかないと。」

松下が余計なお世話を焼いてくれているが
幸子は上の空だった
どう見ても目の前の上司が夫にしか見えないのだ


「何か困った事があったら言ってくださいね。」

塩見に近付いて先輩風を吹かせてみる

「ああ、ありがとう。」

声も似ている
というか似ているように聞こえるのかもしれない



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