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おっかない未亡人
第18章 あたしの好きな人
昼休み
松下と川べりでナンタコスを食べる

松下は器用に溢さず食べるが
幸子は具をぼろぼろ溢していた

「おいおい、」

ナプキンで服を拭いてくれる


松下は時短勤務が解除され
一方の幸子はポジションを自ら降りた
このままだと周りに迷惑をかけると思ったのだ

「哀れだな。入社17年目にして二人ともヒラとか。」

「いんじゃない。」


やっと不眠が改善されて塩見の顔を見ても動揺しなくなった
健康は何にも替えられない


幸子は先日の慎吾が怒った出来事を話した

「えー俺だったら燃えるな。他の男の名前呼ばれるとか。」

こちらが真剣に悩んでいるのに面白がっている

「ただ相手が兄貴ってなるとな。複雑なんじゃね。お前が喜ぶから旦那も調子乗ったんだろ。」

どうにかしないとな
自分が楽しめばいいって訳じゃないんだ

「どうやったら現れなくなるかな?」

「うーん。シンちゃんだけに乗り移るのも変だよな。俺には来ないぞ。」

「まっつんは霊感無さそうだもんね。」

「シンちゃんとお祓いに行くとか?」

あの日怒らせてから連絡できないでいた

「他の誰かと寝てみるとか。」

「は?」

「だってシンちゃんと寝てるときに起こる現象なんだろ?他の人で起こらなければむしろシンちゃんをお祓いに連れていけば解決じゃん。」

めちゃくちゃな理論だが
今の幸子は藁をもすがりたい気分だった

「誰かって誰?」

「そうだな~。俺でもいいけど霊感とか無縁だもんなぁ。、、、塩見さんとか、いんじゃね?」

「え、、」

やっと心の平穏を取り戻したのだ
今ゴタゴタは困る

「むしろ原因はお前にあったりして。シンちゃんと本音で話せてないんじゃない?」

「話してるよ。」

「オモチャ使いたいとか、こういうプレイしたいとか、言えてる?」

「それは、、、。」

「遠慮してるよ。だから旦那が入る隙が生まれちまう。」

確かにあまり希望を言ったことがない気がする
だけどそれは愛情で満たされていたからだ
オモチャとか使わなくても満たされる自信あったし


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