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おっかない未亡人
第19章 クロワッサン
沢井の社宅はすぐそばにあった

「お邪魔します。」

ワンルームだったが片付いた綺麗な部屋だった

「見せたいものって。」

「飛行機の模型です。」

ああ、なるほど

「こっちはプラモデル。」

「自分で作ったんですか?」

「まあ、集中すると何時間でも作業してしまうんです。」

「へぇ。初めてみたなぁ。」

「これは○ンダムのおもちゃで。」

「色々出てきますね。」

押し入れを開けて色々見せてくれた

鉄道の写真もたくさん飾ってあった

「ああ、あれはこの間廃線になったやつで、、」

推し活のお話は延々と続く
ただ別段苦痛でもなかった
今まで付き合ってこなかった男のタイプだったから物珍しいのだ

「あ、ごめんなさい、僕なんか、、止まらなくて、、。」

「あ、いや、いいですよ。」

「すいません、僕ちょっとトイレに。」

見るつもりはなかったが
開けっぱなしの押し入れを覗く

ちゃんとエッチなDVDが積まれていた
人妻ものが殆どだ
少しほっとする
機械オタクでも性への興味はあるらしい


「お茶、いれますね。」

「あ、どうも。」

このDVD を見ながらその手でしてるんだなぁ
そんな目で見てしまう

「どうしました?」

「あ、いや、、なんか、、照れますね。部屋に呼ばれるって。」

「幸子さんさえ良ければまた来てください。」

「うふふ。私が来て怒る人とかいないんですか?」

「いないですよ~。あの泥臭い連中に囲まれてますからね。女性と知り合うきっかけがまずない。」

お茶も美味しい

「僕そろそろ支度するんで、、。ついでに駅まで送ります。」

彼は目の前で着替えようとしたので顔を背けた

「終わりました。行きましょうか。」

「あ、襟が、、。」

幸子の技だ
立ってない襟を正す

「お、」

思いの外顔が近くに来てしまった
あえてにっこり笑ってみせた

来る?来ない?来てもいいけど


彼は外見に似合わずデリケートなキスをした
キスしてるときに鼻息が荒くなったのも分かった

顔を離すと彼もまだこちらを見ていて
時間があればもっとしてもいいくらいだった

幸子は促す

「また来ますね。」

「もちろん。」


次は夜会いましょうね



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