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おっかない未亡人
第22章 慎吾人形
「あらあら香さんまで。京介が大袈裟なのよ足を挫いただけなのに」
義理の母珠子が大怪我で入院したと聞いて会社からタクシーで駆けつける
慎吾が横で付き添っていたのだが
珠子は私たちの名前を間違えていた
「母ちゃん、幸子ちゃんだよ。」
慎吾が気まずそうに言う
珠子は少しずつ認知症が進行していた
「お母さん、大丈夫ですよ。いつでも駆けつけるわ。」
幸子は間違いを訂正せず珠子の手を握った
「あらありがとう槻ちゃん。」
「母ちゃん、、。」
幸子は慎吾を制する
「おばあちゃん、大丈夫だからね。」
なんにでもなる
痛くも痒くもない
この人は後妻の自分を嫌な顔ひとつせず受け入れてくれた
恩があるのだ
待合室で慎吾が紙コップのコーヒーを買ってきてくれる
「ありがと。」
「ごめんね。呼んじゃって。」
「ううん。また戻るから。」
「忙しいんだ。」
「もうちょっとかな。」
「そっか。」
慎吾は元気がない
「お母さん、1人で暮らすの大変かもね。」
「お医者さんにも言われたよ。施設に入れようと思ってる。」
「良いところが見つかればだね。あたしも役職降りたし。繁忙期終われば時間もできるし。ちょくちょく顔出せるわ。」
慎吾は飲み終わったコーヒーの紙コップを握り潰した
珠子の様子にショックを受けているようだ
幸子は背中をさする
「お母さんは分かってるわ。ただ今ちょっと旅に出てるのよ。」
幸子は慎吾の手を強く握った
「あたしがついてる。」
「幸子ちゃん、今日家行っていい?」
「うん。鍋でもしようよ。」
慎吾が頭を垂れる
「俺にはもう母ちゃんしかいないんだ。父ちゃんも兄ちゃんも居ない。母ちゃんまで居なくなったら、、。」
会社に事情を話して直帰させてもらった
慎吾とスーパーに行く
「シンちゃん、もつ鍋にしよう?」
慎吾にカートを押させて幸子は具材をどんどんかごに入れた
とにかく慎吾を元気付けたい一心だった
何があっても落ち込んでてもこんなときは食べさせないと
「えっとー、お肉お肉はどこだ。」
ふと目の前に男性が立ちはだかってぶつかってしまった
「あ、ごめんなさい、、あ!」
「あ、幸子ちゃん、、。」
沢井だった
「この間はどうも。」
幸子は慎吾の手前大人の挨拶をした
義理の母珠子が大怪我で入院したと聞いて会社からタクシーで駆けつける
慎吾が横で付き添っていたのだが
珠子は私たちの名前を間違えていた
「母ちゃん、幸子ちゃんだよ。」
慎吾が気まずそうに言う
珠子は少しずつ認知症が進行していた
「お母さん、大丈夫ですよ。いつでも駆けつけるわ。」
幸子は間違いを訂正せず珠子の手を握った
「あらありがとう槻ちゃん。」
「母ちゃん、、。」
幸子は慎吾を制する
「おばあちゃん、大丈夫だからね。」
なんにでもなる
痛くも痒くもない
この人は後妻の自分を嫌な顔ひとつせず受け入れてくれた
恩があるのだ
待合室で慎吾が紙コップのコーヒーを買ってきてくれる
「ありがと。」
「ごめんね。呼んじゃって。」
「ううん。また戻るから。」
「忙しいんだ。」
「もうちょっとかな。」
「そっか。」
慎吾は元気がない
「お母さん、1人で暮らすの大変かもね。」
「お医者さんにも言われたよ。施設に入れようと思ってる。」
「良いところが見つかればだね。あたしも役職降りたし。繁忙期終われば時間もできるし。ちょくちょく顔出せるわ。」
慎吾は飲み終わったコーヒーの紙コップを握り潰した
珠子の様子にショックを受けているようだ
幸子は背中をさする
「お母さんは分かってるわ。ただ今ちょっと旅に出てるのよ。」
幸子は慎吾の手を強く握った
「あたしがついてる。」
「幸子ちゃん、今日家行っていい?」
「うん。鍋でもしようよ。」
慎吾が頭を垂れる
「俺にはもう母ちゃんしかいないんだ。父ちゃんも兄ちゃんも居ない。母ちゃんまで居なくなったら、、。」
会社に事情を話して直帰させてもらった
慎吾とスーパーに行く
「シンちゃん、もつ鍋にしよう?」
慎吾にカートを押させて幸子は具材をどんどんかごに入れた
とにかく慎吾を元気付けたい一心だった
何があっても落ち込んでてもこんなときは食べさせないと
「えっとー、お肉お肉はどこだ。」
ふと目の前に男性が立ちはだかってぶつかってしまった
「あ、ごめんなさい、、あ!」
「あ、幸子ちゃん、、。」
沢井だった
「この間はどうも。」
幸子は慎吾の手前大人の挨拶をした