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おっかない未亡人
第23章 心の妊活
「そっか。」

沢井に真実を告げる

「俺馬鹿だなー。一人で舞い上がって。」

「楽しかったし、色々な世界を見せてもらった。嫌いになったとかじゃないの。出会えて後悔はないと思ってる。」

奇しくも初めてデートした喫茶店だった

「人形、、返した方がいいよね?」

「そっちで処分してもらえる?」

「わかった。」

沢井は明らかに不機嫌になった
仕方がない
ここを乗り越えないと先に進めない

「じゃあ、あたしはこれで。」

幸子は伝票を持って立ち上がる

「幸子ちゃん!」

レジでお会計をしていると沢井が横からお札を出した

「カッコつけさせてよ。最後くらいさ。」





店を出てしばらく沢井は立ち尽くしていた

幸子はハグをする

「俺振られたんだな、、。」

「うん。」

「もう会えないのか。」

「会うのはできるかもだけど、家に遊びには行けないかな。」

「幸子ちゃんの匂いが忘れられない。」

「匂い?」

「うん。いい匂いがする。妙に落ち着くんだ。」

道端で抱き合っていた
人が通っても沢井は離そうとしない

「失うのか。」

なんだか可哀想になってきた


沢井の裾をつかんで電柱の影に引っ張っていって
背伸びしてキスをする

沢井は直ぐ様あたしの顎を支えて舌を入れてくる

もっとしても良かったけど
離れられなくなるから

体を離そうとするけど舌が唇が付いてくる

手で彼の胸を押さえてやっと離れる

「さよなら。」

「幸せになれよ。」


振り返ることなくどこまでも歩いていった

早く電車に乗らないと
帰って暖かいコタツに入ってシンちゃんの顔が見たい


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