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おっかない未亡人
第23章 心の妊活
「話って?」

慎吾とファミレスにくる
田舎だからか洒落た店がなかった

「うん。お母さんの施設が見つかりそうなの。」

幸子はパンフレットを見せる

「うちからも通えるか。」

「お母さん、気に入るといいね。」

「出来たばかりだから綺麗だし、季節のイベントもあるみたいだね。」

「ちょくちょく顔出せるよ。お母さんも喜ぶわ。」

慎吾は唐揚げ定食を食べていた

「あとさ、、、。これはあたしの願望なんだけど。」

「ん?」

慎吾が味噌汁を飲んでいる
これからも一緒に味噌汁飲む関係を望むのであった

「シンちゃんとの、子供が、欲しいなって。ふと思って。。。」

慎吾が目を丸くする

「駄目かな?」

「いや、駄目というか、、ちょっと、、子供って、、。」

慎吾の反応が面白い
二個目の唐揚げを箸で掴もうとして取り落としている

「最近、思うの。というか、今まで母性とか無かったのに、シンちゃんと居ると、、先のこと想像しちゃって。変かな?」

慎吾が唐揚げを食べるのを諦めて水を飲む

「ごめんね唐揚げ食べてるときに。」

「唐揚げはどうでもいいんだけど。」

「良くないよぉ。食べないと勿体ない、幸子が食べちゃお。」

慎吾の唐揚げを横取りした

それでもシンちゃんは水を飲むのをやめない

「ファミレスで言うことじゃないよねー。シンちゃん、誰にでも優しいから、心配。さっきだって若くて可愛い女の子いっぱい居たし。誘われたりするでしょ?」

「しないよ。俺は口下手でモテないから。」

「あたし、シンちゃんが好き。」

昼間の田舎のファミレスで愛の告白
笑える
笑いたい
あたし、笑いたい

「シンちゃんの着てるスーツも、シンちゃんの乗ってる車もシンちゃんのアパートも、シンちゃんの顔も心も穿いてるパンツも、全部好き。」

慎吾も笑っている

「とりあえず、うちで待ってて。俺今日定時だから。」

鍵を渡されて慎吾は伝票を持って立ち上がった

「シンちゃん、唐揚げ残ってるー。」

慎吾は行ってしまった
残した唐揚げを幸子が全部食べたのは言うまでもない



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