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この世は金で回ってる。
第3章 九尾の狐
 翌日。10時過ぎにバイク便が届いた。
 物は分厚い封筒。裏には三神探偵事務所とプリントされている。
 おいおい。
 いくら優秀とはいえ仕事が早すぎるだろう。
 苦笑しながら封を切る。
 中は予想通り「木滝珠世に関する調査報告書」だった。
 生年月日から本籍、転居歴。
 しまいにはどうやって調べたのか初恋の相手を筆頭に恋愛遍歴まで書かれていたがそれは今はいらない。
 知りたいのはここに来る直前の行動だ。
 「ふむ。ふむ。・・・ほぉ~。」
 口の端が歪む。
 面白い。

 寝室のテレビのチャンネルを外部入力に切り替える。
 50インチの画面に写し出されたのは大石家の応接間だった。
 大石家には防犯目的という名目でカメラを設置してありその映像音声は俺の部屋でも視聴出来るようにしてある。
 言い付け通り美容院に行って綺麗に整えられた髪に普段より上等なブラウスとスカートの若奥様が来客の準備をしていた。
 ピン、ポーン。
 来たようだな。
 一度姿を消した久子が連れて来たのはパンツスーツに身を包んだ若い女だった。
 これが木滝珠世か。
 モニターを凝視する。
 報告書によると
 身長171㎝、体重57㎏(推定)
 スリーサイズはまあ、今はいいだろう。
 女としては長身の部類だ。
 が、痩せすぎだ。
 飯喰ってるのか?
 スリムだのモデル体型だのと言えば聞こえはいいが手足は枯れ枝みたいで指でつついただけでポキッと折れてしまいそう。
 胸はペッタン、お尻もノッペリ。
 女として全く食指が動かない。
 極端に言えばりくの方が女性として魅力的に見える。
 頬も痩せこけ髪の毛は油分を失いパサパサ。
 吊り上がった目だけがギラギラしている。
 これはあれだな。
 昔流行った心霊番組でやってた狐憑きってやつじゃないのか?
 そう言えば中国から来た化け狐金毛白面九尾の狐の人間名前は玉藻前だったか?
 玉藻と珠世。奇妙な偶然だ。
 閑話休題。
 上座に通された珠世はお茶を一口啜り家庭訪問を始める。
 まあ、話してる内容はたいしたことはない。
 りくは真面目で元気に勉強していてお友達とも仲良く出来て先生の手伝いも進んでしてくれる良い子だとべた褒めだ。
 今度は久子の番で家での様子を根掘り葉掘り聞かれる。
 そろそろかな?
 身支度をしてベッドから立ち上がる。
 
 
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