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この世は金で回ってる。
第3章 九尾の狐
 「立ち入った事をお聞きしますがご主人様は?」
 珠世に問われて久子は慌てる。
 違う、違う。
 このご主人様は宗次郎様の事じゃない。
 「亡くなりました。3年前に。交通事故で。」
 あまり語りたくないのだが家庭環境の調査だろうから仕方がない。
 「まぁ。失礼しました。」
 「いえ。」
 あまり感情のこもってない詫びに短く返す。
 「それじゃあ、3年間ずっとお一人でりくさんをお育てに?」
 「えぇ。まぁ。」
 なに?やけにグイグイくるわね。
 「大変だったでしょ?たった1人で頼れる方もなく。」
 なに身を乗り出してきてるのよ。
 「さぞ寂しかったでしょ。」
 ヒィ~~~!
 突然テーブルに置いた手に枯れ枝みたいな指が伸びてくる。
 反射的に手を引こうとしたが遅かった。
 手首を捕まれる。
 枯れ枝なんかじゃない。
 頑丈な蔦の様に手首に絡み付き解けない。
 「私もね。離婚して子供もなくて1人っきりで寂しくて虚しくて辛いの。
 なに?なに?なに?
 なんなのこの人。
 テーブルに片膝乗せてのし掛かってくる。
 目が血走り焦点が合ってない。
 正気を失っている。
 錯乱している。
 はっきり言います。
 気が狂ってる!
 「私が慰めてあげる。身も心も。全部。男なんて忘れて私と気持ちよくなりましょ。」
 逃げなきゃ!
 逃げれない。
 ソファーに腰かけた状態で手を押さえられ上からのし掛かっられてどうやって逃げろと言うの。
 「フフフフ。」
 不気味な笑みを浮かべた顔が近付く。
 もうダメ!
 諦めかけたその時
 バタン!
 大きな音を立ててドアが開いた。

 ドアを蹴破る様に応接間に入った俺の目に飛び込んできたのは久子に襲いかからんとする妖怪じみた女の姿だった。
 予想通りとはいえ異様な状況だ。
 「そこまでだ!」
 珠世の襟首を掴むと力任せに引っ張る。
 喉が締まり呼吸が苦しいだろうに尚も前に出ようとする。
 こりゃ本物の妖怪かもしれないな。
 ポケットから先日街で購入した器具を取り出す。
 大きな電気シェーバーみたいなそれを珠世の首筋に押し付け。
 南無三!
 スイッチを押す。
 バチバチ!
 軽いショート音が響く。
 「ギャァ!」
 けたたましい雄叫びを上げてのたうち回る。
 テーブルの上のカップは全て床に落ちて割れてしまう。
 
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