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リクルートスーツの女の子
第3章 レストラン
 「どうしました?」
 「いや、あっちの方に美味しいロブスターの店があるからそこに行こう」
 「いいですね!美味しそう」
 
 彼女は、屈託のない笑顔で同意してくれた。

 そして、店内。

 「どうする?なんかドリンク頼む?」
 「うーん。じゃあカシスオレンジで」
 「じゃあ俺もそれで笑」
 
 男がカシオレというのもなんかと思ったが、気持ちにゆとりがなかった。面と向かって喋るとどうにも落ち着かない。
 その後、人気のセットが描かれていたので、それをとりあえず頼んだ。こういう人気のセットというのはいつ決まったんだろう?メニューに「人気」と書いているから人気になっているのではないか?そうだとすれば、これも巧妙に仕組まれた罠だったのか?

 そこから俺たちはいろんな話をした。彼女の地元の話。東京に来てびっくりしたこと。
 3杯目を飲み干した時には、だいぶ打ち解けていた。
 
 「彼氏はいるの?」
 「いるよ。」

 彼氏いたのか、誘っちゃったの申し訳なかったなと思ったが、
 
 「まあ別れようか迷ってるんだけどね。面倒臭いし、ほら」

 そう言って彼女は再びスマホの画面を見せてきた。
 そこには、15分ごとに「今どこにいるの?」「連絡ないけど大丈夫?」など異常な頻度の連絡通知が。

 「それはもうストーカーじゃん!」
 「だよねー笑」

 そっからその彼氏の愚痴でだいぶ盛り上がった。

 「そろそろでよっか」

 と言うと、小さく頷いてその店を出た。
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