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俺の肉奴隷は11歳
第44章 8月22日 ふたりの生徒
車は市街地を抜け、山道を登りはじめた。
花音は窓の外を見ながら
「お家、山の上なんですね。ひとりで住んでいて、寂しくないですか?」
「僕は人混みが苦手でね。前に住んでいた街は、人が多くて息が詰まりそうだった。それにもう、ひとりじゃないし」
「え?」
「麻莉奈ちゃんという、妹みたいな子と出会えたから。麻莉奈ちゃんは迷惑かもしれないけどね」
すると麻莉奈は、おどけて
「うーん、どうせなら、もっとカッコイイお兄ちゃんがいいかな」
「麻莉奈!」
花音が叱った。

家に着いて授業を始めると、ふたりともマジメに集中していた。
花音も積極的に、俺に質問してきた。
おそらく俺に対する疑いも警戒心も、解けたろう。

昼メシは、ハンバーグを作った。ふたりとも大喜びだった。
花音は
「おいしい!すごくおいしいです!」
すると麻莉奈は
「ねっ、言った通りでしょ!」
と自慢げだった。

午後の授業になった。
ダイニングテーブルで、ふたり並んで問題を解いている。
そろそろ始めるか。

俺は時計を見て
「しまった、忘れてた!」
麻莉奈が
「どうしたの?」
「今日は用事があったんだ」
花音は心配そうに
「大丈夫ですか?」
「ちょっと出かけてくるから、自習していて。2時間くらいで戻るから。とりあえず、ここからここまでね」
と、問題集を指し示した。

急いで家を出て車に乗った。いくらか走って停めた。これで俺が外出したと思うだろう。
そこから歩いて戻っていった。

途中、一台の車がゆっくりと坂を下りてきて、俺を追い越していった。
軽自動車で、帽子を被った、濃いアゴ髭の男が乗っていた。俺をチラリと見た気がした。
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