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海に映る月の道 〜last tango in Paris〜
第5章 従者と執事見習い〜従者の恋〜
…伯爵の手順や性技は巧みで、驚くほどにもの慣れていた。
男と愛し合うことは、どうやら初めてではないらしい。
尋ねると…
「…秘すれば花だよ…」
と微笑って誤魔化された。

けれど、伯爵は自分が快楽を得ることよりも、狭霧に快楽を与えることに、一層熱心だった。
男は始終優しく…そして、小鳥を捕食する大鷲のように大胆で、荒々しかった。
優雅なる野蛮さと名付けても良いようなキスと愛撫と性技で、狭霧をあられもない姿になるまで翻弄した。

…途中、執事の橘がドアの外から声をかけてきた時には、肝を冷やした。

「旦那様。
晩餐はいかがいたしますか?」

狭霧は伯爵に口を塞がれ、息を潜める。

伯爵は少しも慌てずに、唄うように優雅にすらすらと答えた。
「…今夜中に急ぎの仕事を仕上げたい。
次の間に軽食を用意しておいてくれ。
…それから、ベルーガキャビアとそば粉のパンケーキ。
ブルーチーズ…カラスミ…。
苺と葡萄とバレンシアオレンジ…カルヴァドスも頼む。
…それから…狭霧は使いに遣らせた。
今夜は戻らないから何かあれば、明日言いつけてくれ」
…狭霧を見つめながら、伯爵は悪戯っぽく笑った。

「…悪いひとだね…旦那様…」

橘の遠ざかる靴音を聴きながら、狭霧は男にキスの雨を降らせた。







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