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海に映る月の道 〜last tango in Paris〜
第5章 従者と執事見習い〜従者の恋〜
梨央の大きな瞳には透明な涙が溢れ、今にも溢れ落ちそうだ。
…ど、どうしよう。
梨央様を泣かせる訳にはいかないが、寝室に入れる訳にもいかない。
…こ、困った…。
狭霧はまたもや頭を抱えたくなった。
「…梨央様…あの…」
…幼い女の子の扱いに慣れていない狭霧は、なんと慰めたら良いのか、見当も付かない。
小さく、ため息を吐いた。
…その時…
階下に通じる小階段から軽やかな足音が響き、落ち着いた青年の声が密やかに聞こえた。
「…梨央様。
どうなさいましたか?」
梨央の貌がぱっと明るくなる。
「月城!」
梨央はぱたぱたと可愛らしい足音を立てて、青年…執事見習いの月城の元に駆け出して行った。
…ど、どうしよう。
梨央様を泣かせる訳にはいかないが、寝室に入れる訳にもいかない。
…こ、困った…。
狭霧はまたもや頭を抱えたくなった。
「…梨央様…あの…」
…幼い女の子の扱いに慣れていない狭霧は、なんと慰めたら良いのか、見当も付かない。
小さく、ため息を吐いた。
…その時…
階下に通じる小階段から軽やかな足音が響き、落ち着いた青年の声が密やかに聞こえた。
「…梨央様。
どうなさいましたか?」
梨央の貌がぱっと明るくなる。
「月城!」
梨央はぱたぱたと可愛らしい足音を立てて、青年…執事見習いの月城の元に駆け出して行った。