この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
海に映る月の道 〜last tango in Paris〜
第5章 従者と執事見習い〜従者の恋〜
橘の執務室はいつ如何なる時でも塵ひとつなく清掃され、全てが機能的に整えられ、冷たい印象すら与えた。
橘に呼び出される時は、大抵狭霧に対してのお小言が多かったからだろう。

…月城に構いすぎです。
メイドたちに余り優しく、気安く接しないで下さい。
誤解を生みます。
狭霧さんを巡ってメイドたちが険悪なムードになっております。
…などなど…。

勤務内容というよりも狭霧の普段の行動が、橘に遺憾な思いを与えるらしい。
その都度、狭霧は平謝りに謝る。

巴里のマレーとは異なり、橘は決して狭霧を叱ったりしない。
狭霧に対する言葉遣いも恭しく、寧ろ丁寧すぎるくらいだ。

伯爵付き従者という、謂わばこの屋敷の使用人の中では橘の次に位が高い狭霧に、如何にも敬意を払っているように見える振る舞いや言葉を掛ける。
…けれど、ある意味マレーより近寄り難く感じるのは、橘の腹の中が全く見えて来ないからなのかも知れない。

「…橘さん。
…どのような御用でしょうか…?」

部屋には入ると、いきなり鍵を掛けた橘に只ならぬものを感じた狭霧は咄嗟に尋ねた。

…俺、何かしでかしたっけ…。
猛烈な速さで、思い返してみる。

首を傾げている狭霧に、橘はまるで通常の業務報告をするかのように淡々と告げた。

「…旦那様とのことです。
昨晩、狭霧さんは旦那様と一夜を過ごされておられましたね」


/256ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ