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海に映る月の道 〜last tango in Paris〜
第2章 狭霧の告白
今度は驚くのは狭霧の番だった。
「へ?」
鳩が豆鉄砲を食ったような…とはこのことだ。
いきなりこんなにもストレートに愛を告白されるなんて、予想だにしていなかったからだ。

「ご、ごめんね。気持ち悪いよね。
男からこんな告白されて…。
…でも…」
…握りしめている大きな…けれどとても繊細そうな手が震えている。

「君がこの塾に入ってきた時、息が止まるほど驚いたんだ。
…なんて…なんて綺麗なひとなんだろう…て。
こんな綺麗なひと、この世に本当に存在しているんだ…て。
信じられなかった…。
…自分が本当に垢抜けていなくて、愚図で、すごくみっともないような気がして…。君を見つめるのも申し訳ない気持ちになって…。
でも、君をいつも、いつまでも見つめていたくて…。
君がこの世に生を受けたことに感謝して。
それから、僕が生まれて来たことに感謝して。
ここに来れば君に会えるから、毎日が楽しくて、ドキドキして。
君に会えた日は飛び上がりたいくらいに幸せで。
…こっそりといつも隣りの椅子に座れるように画策してた。
だから君に会えなかった日は、心底がっかりして。何もかもつまらなく感じて。
…こんな気持ち、本当に初めてだった」

…やべぇヤツかな、こいつ…。
狭霧はちょっと不安になる。
「…はあ…」
「…それから、すぐに君を好きになった。
…違う。そうじゃない。
…僕は君に、恋したんだ。
まるで、いきなり深い落とし穴に落ちたみたいに。
いきなり、恋に落ちたんだ。君に。
取り返しがつかないような、恋に落ちたんだ」

…なんだか調子狂うなあ。
茶化す気持ちは既に萎えていた。
まさかこんなに真っ直ぐに告白されるなんて、思ってもみなかったからだ。

「…それは…」
二の句が告げない狭霧に、和彦は申し訳なさそうに詫びた。
「ううん。ごめん。
こんなこと、男から聞かされて、嫌だよね。気分、悪いよね。
もう、言わない。本当にごめん。
…一度だけ、思い切って告白したかったんだ。
そうしたら、諦めが着くから…」

狭霧は端麗な眉を跳ね上げた。
「…諦め…」
和彦は寂しげに微笑った。
「…うん。
友だちとしてだって、泉くんみたいに綺麗なひとに好かれるなんて思ってないよ。
僕は君みたいに華やかじゃないし人を惹きつけるものは何一つ持ってないし。
第一、僕は男だし…君は…きっと女の子が好きだろうし…」






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