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海に映る月の道 〜last tango in Paris〜
第5章 従者と執事見習い〜従者の恋〜
「…あ…」
掠れた声が、千雪の可憐な口唇から漏れる。
その濡れた眼差しが、恥ずかしそうに瞬かれる。
「…兄さん…」
「うん?」
「…あのね…。兄さん。
大学入学のお祝い…してくれる?」
「もちろんだよ。
何が欲しい?何でも言ってくれ。
ユキの願いなら何でも叶えてやる」
千雪がものをねだることなど滅多にない。
狭霧はどんな高価なものでも買ってやるつもりだった。

「…じゃあ…前に…横浜港で…僕にしてくれたみたいな…キスをして…」
…囁くような小さな声だった。

「…え?」
千雪の煌めく瞳が、狭霧を熱っぽく見つめていた。

「…こうやって…口唇に…兄さんはしてくれたよね…」
「…ユキ…」
…甘やかな吐息と、熱く柔らかな口唇が、狭霧のそれに重なり…禁断の蜜のように甘く…微かに背徳の薫りを残し、静かに離れていった。

「…兄さん…」
「…ユキ…」
あっけに取られる狭霧に…
「…好きだよ…兄さん…」
泣き笑いのように、寂しげに…けれど艶やかに、千雪はそっと告げたのだった。

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