この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
海に映る月の道 〜last tango in Paris〜
第6章 従者と執事見習い 〜執事見習いの恋〜
二人の到着を聞き、玄関ホールから北白川伯爵が颯爽と…そして優雅に現れた。
今日は昼食会なので、伯爵もアスコットタイにジャケットというくだけた服装だが、それが如何にも洒脱に見える着こなしなのだ。
背後には美貌の従者・狭霧を従えている。
狭霧は到着したばかりの暁を見て眼を輝かせた。
…狭霧は美しい少年が好きなのだ。
性癖ではなく、単なる趣味…ということらしい。
どこか変わった男なのだ。

「…やあ、礼也くん。よく来てくれたね」
朗らかに語りかけながら、手を差し出す。
その手を礼也は敬意を込めて握り返し、
「本日はお招きいただきまして、ありがとうございます。
伯爵、弟の暁です。
…暁、北白川貴顕伯爵だ。
ご挨拶を…」
傍らで緊張の為、固くなっている弟を紹介する。

北白川伯爵は、礼也の手を未だにしっかり繋ぐ、世にも美しい少年に視線を移し、眼を細めた。
「…暁くんだね?
礼也くんから君のことはよく聞いていたよ。
初めまして。会えて嬉しいよ」
優しく声を掛けた。

暁はややぎこちなく礼也の手を離し…けれど、折り目正しくお辞儀をした。
「…初めまして。
暁です。
北白川伯爵様。
本日は昼食会にお招きいただきまして、誠にありがとうございます」

そろそろと上げた面を見て、伯爵は改めて感に耐えたような声を上げた。

「…これはこれは…!
聞きしに勝る麗しい弟君だね、礼也くん。
君もハンサムだが、暁くんはまた別の稀有な美貌の持ち主だ。
まもなく社交界は騒然となるに違いない。
縣家の二人目の美しい御曹司の登場は大ニュースだ」
伯爵は感心したように首を振った。

「恐れ入ります。伯爵。
…暁はまだ殆ど社交に出かけておりません。
礼儀作法も勉強途中です。
不慣れなことが多いですので、何卒ご指導のほどをよろしくお願いいたします」

礼也は謙虚に答えながらも、愛おしげに暁を見遣った。
それは誠の情愛の眼差しで、如何に彼が暁を大切にしているかが推し量れるものであった。


/256ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ