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海に映る月の道 〜last tango in Paris〜
第2章 狭霧の告白
…『俺が好きなら俺好みの男になってみろ。
そうしたら付き合ってやってもいい』
画塾のアトリエで言い放った狭霧に、和彦は絶句していた。
…内容はもちろんだが、狭霧の性的嗜好について…自分と同類とは俄かには信じられなかったのだ。
「…泉くん…。
君は…その…ど、同性が…」
震えて言葉が出て来ない和彦に、肩を竦めて見せる。
「男が好きかって?
さあな。別にどちらでもないかな。
てか、どちらもイケるかな。
女も男もどっちも好きだ。
綺麗で洗練されていて色っぽいひとならね。
その時の気分とタイミング…かな。
深く考えたことはない。
…俺は快楽主義者なんだ。
自分が気持ち良ければそれでいい」
「…ああ…。そうなんだ…」
微かな寂しげな微笑みを浮かべた後、和彦はとつとつと告白を始めた。
「…僕は…男性しか愛せない…。
心惹かれるひとは全て男性なんだ…」
…アトリエには、どこか寂寥感の漂う秋の西陽が差していた…。
そうしたら付き合ってやってもいい』
画塾のアトリエで言い放った狭霧に、和彦は絶句していた。
…内容はもちろんだが、狭霧の性的嗜好について…自分と同類とは俄かには信じられなかったのだ。
「…泉くん…。
君は…その…ど、同性が…」
震えて言葉が出て来ない和彦に、肩を竦めて見せる。
「男が好きかって?
さあな。別にどちらでもないかな。
てか、どちらもイケるかな。
女も男もどっちも好きだ。
綺麗で洗練されていて色っぽいひとならね。
その時の気分とタイミング…かな。
深く考えたことはない。
…俺は快楽主義者なんだ。
自分が気持ち良ければそれでいい」
「…ああ…。そうなんだ…」
微かな寂しげな微笑みを浮かべた後、和彦はとつとつと告白を始めた。
「…僕は…男性しか愛せない…。
心惹かれるひとは全て男性なんだ…」
…アトリエには、どこか寂寥感の漂う秋の西陽が差していた…。