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海に映る月の道 〜last tango in Paris〜
第6章 従者と執事見習い 〜執事見習いの恋〜
「…男は…ないです」
素直に答える月城の頬を、狭霧が優しく撫でる。
「上流階級の紳士方は、思ったよりずっと両刀…もしくは、男好きが多いんだよ。
…すべての色ごとをやり尽くし、行き着いた先の退廃的趣味とも言うべきかな…。
結婚しながらも美しい青年の恋人を持つお偉方や紳士方はたくさんいる。
…特に大貴族の下僕は狙われやすい。
何しろ素性はしっかりしているし、分を弁えているし口も硬いからね」
月城は眉を顰める。
「…いい加減、黙ってください」
三日月型に美しく微笑むその口唇を強引に奪い、わざと荒々しく身体を重ねた。
…ベルガモットの薫り…。
女のように柔らかくはないが、きめ細やかな白い肌が月城を優しく包み込んだ。
…不思議な安心感に包まれる。
それから小さな熾火のような欲情に、じわじわと火が点く。
「…教えてください。
貴方に苦痛は与えたくないから…。
…できれば、快楽を与えたいのです」
真剣に告げる月城に、狭霧は琥珀色の瞳を見張り、吐息のような笑みを漏らした。
「…君は良い子だね…」
抗議しようとするその口唇は、そのまましっとりと狭霧に奪われた。
素直に答える月城の頬を、狭霧が優しく撫でる。
「上流階級の紳士方は、思ったよりずっと両刀…もしくは、男好きが多いんだよ。
…すべての色ごとをやり尽くし、行き着いた先の退廃的趣味とも言うべきかな…。
結婚しながらも美しい青年の恋人を持つお偉方や紳士方はたくさんいる。
…特に大貴族の下僕は狙われやすい。
何しろ素性はしっかりしているし、分を弁えているし口も硬いからね」
月城は眉を顰める。
「…いい加減、黙ってください」
三日月型に美しく微笑むその口唇を強引に奪い、わざと荒々しく身体を重ねた。
…ベルガモットの薫り…。
女のように柔らかくはないが、きめ細やかな白い肌が月城を優しく包み込んだ。
…不思議な安心感に包まれる。
それから小さな熾火のような欲情に、じわじわと火が点く。
「…教えてください。
貴方に苦痛は与えたくないから…。
…できれば、快楽を与えたいのです」
真剣に告げる月城に、狭霧は琥珀色の瞳を見張り、吐息のような笑みを漏らした。
「…君は良い子だね…」
抗議しようとするその口唇は、そのまましっとりと狭霧に奪われた。