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海に映る月の道 〜last tango in Paris〜
第6章 従者と執事見習い 〜執事見習いの恋〜
「…狭霧さん…て、月城にとって特別なひと?」
ぽつりと囁かれた儚げな声に、月城ははっと我に帰った。
…ああ、そうだ。
自分は今、縣男爵の子息の暁とバンガローにいるのだ。
月城は気持ちを整えるために息を吐き、暁を振り返る。
…赫々と燃え盛る暖炉の炎に照らされた世にも美しい少年の瞳は眩しいほどに煌めき、月城をじっと見つめていた。
月城は静かに微笑んだ。
「…いいえ。
特別なひとではありません。
…旦那様の有能な従者であり…私の頼りになる先輩です。
…ただそれだけです」
淡々と答えると、月城は冷めかけたホットワインを一気に煽ったのだった。
ぽつりと囁かれた儚げな声に、月城ははっと我に帰った。
…ああ、そうだ。
自分は今、縣男爵の子息の暁とバンガローにいるのだ。
月城は気持ちを整えるために息を吐き、暁を振り返る。
…赫々と燃え盛る暖炉の炎に照らされた世にも美しい少年の瞳は眩しいほどに煌めき、月城をじっと見つめていた。
月城は静かに微笑んだ。
「…いいえ。
特別なひとではありません。
…旦那様の有能な従者であり…私の頼りになる先輩です。
…ただそれだけです」
淡々と答えると、月城は冷めかけたホットワインを一気に煽ったのだった。