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海に映る月の道 〜last tango in Paris〜
第6章 従者と執事見習い 〜執事見習いの恋〜
暁は窓の外をまじまじと見つめ、やがてにっこりと微笑みながら月城を見上げた。
「…ここで一晩泊まるの?
なんだか楽しそう。
わくわくしてきた」

月城は呆気に取られた。
「…あの…暁様。
お怒りにならないのですか?」
「どうして怒るの?
遠乗りは僕が自分の意思で来たんだよ。
それに…楽しそうじゃない?
こんな大雪も初めてだし、山のバンガローに泊まるのも初めてだ。
だって、月城が一晩中一緒に居てくれるんでしょう?」
「もちろんでございます」
「じゃあ怖くないよ。
もし狼や熊が出ても、月城が守ってくれるよね?」
「命に代えましても」
「…嬉しい」
白くきめ細やかな肌がうっすらと薔薇色に染まっていた。



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