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第1章 お見合い相手

そして、胸がズキッした。

嫌だった。

神様は意地悪だ。

お見合い相手が、私だったらよかったのに。


「歳はおいくつですか？」

「33歳です。」

「えっ！10歳も上？」

その瞬間、お父さんが咳ばらいをした。

「美子、玄関までお見送りしなさい。」

「はい。」

姉が立ち上がると、古原さんも立ち上がった。

客間を出て廊下を一緒に歩く様は、もう既に夫婦のようだった。


「ねえ、いつの間にお姉ちゃん、お見合いしたの？」

「言っていなかった？先週よ。」

そう言えば、そんな話をしていたような。

でも、覚えていなかったのは、自分とは無関係だと思っていたから。

馬鹿な、私。